第8話 天国の入り口で結婚式(陽side)②

 一歩ずつ、あおくんの姿が大きくなっていく。


 いよいよ見上げる位置まで来て、パパが感極まったような声で言った。


「滝川君、陽を頼む」

「任せてください!」


 礼儀正しくお辞儀をしたあおくん。


 あの頃よりもずっとがっしりして、頼りがいがあって大人の男性の色気に溢れていて……


 素敵過ぎてどうしよう! 

 心臓の音が外まで聞こえてしまうわ。



 差し出された腕に、パパが私の指先を導いてくれた。



 ああ! 

 あおくんに触れることができる!



 恐る恐る力を込めれば、ぐっと引き寄せられて脇に挟みこまれた。


 じいっと見下ろされて、思わず息を止めてしまう。

 照れ屋のあおくんがこんな風に長い時間見つめてくれるなんて、今までなかったから新鮮。


 あおくんを肌で感じて、またじわっとして泣きそうになっちゃったけど、次の言葉で涙が瞬間沸騰しちゃったわ。


「陽、凄く綺麗だよ」


 あおくんが、ストレートに褒めてくれた!


 そして、フワリと―――


 本当にふわりと自然に、笑ってくれたの。



 大好きなあおくんの笑顔!



 こんなに間近で見られるなんて、幸せ。


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