第6話 魔王である
「第2ラウンドと行こうか?」
―――――――
「我は魔王である」
先程まで魔人だった奴は、魔王と名乗って宙に浮いていた。
しかし、魔王と名乗る”そいつ“は、先程までの魔人とは風格が違った。
ビリビリと電気を纏った指を、俺らに向ける。
何かヤバいと思った。
少なからず、ここで人数差を有利にして戦おうとする程の馬鹿じゃない。
俺の経験上、少なからず“こいつ”は何かが
ヤバい
「おい!モズク!スキルで壁を作って時間を稼げ!」
モズクは、このグループの中で唯一、スキルを使える奴だ。
木を生成し、自由に操るスキルを持っている。
俺は、モズクと1からこのグループを作った。
五年の歳月を掛け、S級になるために一生懸命やってきた。
今では、モズクと俺はA級、グループで見ればB級ほどまでに登り詰めたのだ。
だからこそ分かった。
“こいつ”は戦ったらマズいと
「お前ら!逃げることを優先にしろ!ギルドに帰ることだけを目標とするんだ!」
直ぐに逃げる指示を出す。
それを聞いた部下達は一斉に逃げ出す。
その間に、モズクが壁を生成する。
それを確認すると、モズクと共に俺も逃始める。
「....」
一連の行動を奴は見ていたハズだ。
しかし、動かない。
何もしてこないの....だ....
あえぇ?
視界が回る
ぐるぐる回る。
まるで宇宙空間に居るかのように。
俺らは動いてなかった。
誰も逃げてなかった。
先程まであった壁もない。
皆、足から上がない。
いや....足すらも....
バチッ....
――――――
「弱いな」
残ったのは帽子の切れ端
「我は貴様らに敬意を払ったのだ」
「我は貴様らのお陰で顕現できたのだ」
「残念だ」
「敬意を払い、逃がしてやろうとしたのに」
「電撃魔法を一発打っただけで、体も残らんか」
「弱すぎる」
しかし、もっと残念な事がある
「我の”主人格“は、もっと弱いのが残念で仕方ない」
このような雑魚にすら勝てないのに、王になろうとは....
「浅はかである」
我は地面に降り立ち、家臣の囚われている牢屋の前に、向かおうとする
「時間切れか」
―――――――――
周りに人の気配がない
しかし、そんなこと今の僕にはどうでもよく、真っ先に、意識が無くならないうちに、スイの居る牢屋へと。
....ようやく牢屋の前まで来て、スイの姿を確認する
「ス....ィ....」
僕は意識を手放した
(次回は25日に更新です。ちなみに僕は今後出てくるキャラも含めてライトが一番苦手です。主人公なのにね。ご意見、ご感想の程よろしくお願いいたします。)
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