第27章 魔教撲滅編
第268話 神偽体術
▽第二百六十八話 神偽体術
神器争奪戦が終結し、すでにゲーム時間で一週間の時が経過しています。
リアルなら二日少々。
最終的な勝者は魔教、オウジン・アストラナハトとなってしまったようですね。けれど、契約に無関係だったゴース・ロシューが神器を奪還。
現在、神器はジークハルトたちの手にあります。
今後、あの神器は交代制で持ち主が変わるようですね。またジークハルトが「譲渡を手に入れたのはゴースなので、他国に渡す謂われはない!」なんて叫ぶかと思いました。
が、どうやらそうはならないようです。
仕事を終えたジークハルトは、とくに意見を持たぬようでした。
まあ、今後、また【上】が神器を独占しろと命じたならばやりかねませんが。第一フィールドがごねた場合、他の国は現状では消極的な肯定をするしかありませんから。
現状のバランスを覆すならば、魔王軍がもっと第一フィールドを攻めるしかないですね。
王都を奪われても平然としているアルビュートは、国家としてかなり化け物クラスです。
「まだ私たちは最強の領域では戦えません」
「……です」
「ですが吉報かもしれません。貴女に統合進化スキルの波がやって来ました」
現在、アトリのステータスはこうなっております。
名前【アトリ】 性別【女性】
レベル【90】 種族【ハイ・ヒューマン】 ジョブ【大聖女】
魔法【閃光魔法85】【光魔法91】
生産【造園92】
スキル【孤独耐性96】【鎌術93】【口寄せ80】
【神楽90】【詠唱延長79】【月光鎌術81】
【天使の因子78】【狂化】【聖女の息吹】
【光属性超強化71】【体術54】
ステータス 攻撃【244】 魔法攻撃【727】
耐久【450】 敏捷【693】
幸運【604】
称号【死を振りまく者】
固有スキル【殺生刃】【勇者】
レベルは上がっていません。
けれど、スキルレベルがかなり上昇しているようです。この現象はおそらくジークハルトやユークリスとの交戦によるモノでしょう。
格上の人類種との戦いはスキル経験値が入りやすくなる仕様でもあるのでしょう。
とくに低レベルだった【体術】は一気に50を超越しました。
そしてそれを切っ掛けとして、新しい統合進化スキルが出現したのです。その統合進化スキルは【神楽】と【体術】を掛け合わせたスキル。
名を【
「【神楽】を失うのは痛いですけれど……チャンスはありますよ」
「神様! ボク、【神偽体術】ほしい、です。神ってある。です!」
「神ですねー」
まあ、その後に偽の一文字が踊りますけれど。
私も【神偽体術】の取得には肯定的です。なんだか強そうですからね。というのも、私がネットで調べたところ、普通では【神楽】と【体術】で統合進化は発生しません。
それなのに発生している。
この事実はすなわち、アトリは何かしらの条件を満たしているということ。
複雑な条件を達成すればするほどに良い性能になるのは、このゲームのあるあるです。きっと強いでしょう【神偽体術】。
「取りますか。良いですね、アトリ」
「!」
アトリが赤い目をぐるぐると回します。
期待しているようです。これは私も期待させてもらいましょう。
名前【アトリ】 性別【女性】
レベル【90】 種族【ハイ・ヒューマン】 ジョブ【大聖女】
魔法【閃光魔法85】【光魔法91】
生産【造園92】
スキル【孤独耐性96】【鎌術93】【口寄せ80】
【詠唱延長79】【月光鎌術81】
【天使の因子78】【狂化】【聖女の息吹】
【光属性超強化71】
ステータス 攻撃【244】 魔法攻撃【727】
耐久【450】 敏捷【693】
幸運【604】
称号【死を振りまく者】
固有スキル【殺生刃】【勇者】
【
「固有スキルにいきましたね……これ大丈夫なのでしょうか」
私はアトリに命じて、軽く動いてもらいました。
大鎌を振るうアトリの姿は――ハッと息を呑むほどに洗練されていました。【神楽】の優雅さと【体術】の獰猛な機能性を混ぜ合わせたような。
それでいて遊びのある動きは。
たとえば私がアトリと同じ容姿を持ち、同じ身体能力を持ち、そして大鎌を振るうのならば……かなり似たような動きをすると思います。
私ならばもっと綺麗に動く分、むしろ戦闘には適さないかもしれませんが。
「かなり良いですよ、アトリ。違和感はありませんか?」
「全然。ですっ!」
「素敵ですね、かなり良いじゃありませんか」
「! ボク、素敵。です! 神様はもっと素敵。ですっ」
「それはありがとうございます」
なんて私たちはなれ合っています。
確認中、念の為に呼び出しているシヲが呆れたように肩を竦めました。やや塩対応の気があるミミックです。
続いてはアーツの確認となります。
固有スキル【
私たちが初のアーツとして取得したのは【奉納・
効果は「後隙の存在しない移動アーツ」です。
つまり【神楽】スキルの【奉納・瞬駆の舞】の上位互換アーツとなっております。わざわざ【停克の舞】を使わなくても良いわけですね。
クールダウンも短めで、消費MPも実用レベル。
「っ」
音もなくアトリが移動します。
距離の短い転移アーツのようなものですね。回避にも攻撃にも使える有用アーツです。
「はやく次のアーツも見たいところですねー」
「頑張る。です! 神様にぜんぶをお見せ……する。です」
「楽しみにしていましょう」
「!」
アトリが尻尾を追いかける子犬が如く、ぐるぐると回り始めます。
スキルレベル上げなのでしょう。
使えば使うほどに習熟度が上昇するようです。アトリには高レベルの【孤独耐性】があるので、私がログアウト中に訓練してくれることでしょう。
次に確認するのは、強化した神器についてです。
〜〜〜〜〜
作者からのお知らせです。
このお話の連載を休載するかも、という活動報告を書いております。理由と休止するとしたら、ということが書いてありますのでチェックしてください。
休止になるかどうかは、活動報告を見てもらえればと思います。
運が良ければしばらく続きます。
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