第49話 孤独耐性の有用性

▽第四十九話 孤独耐性の有用性

【ネロがレベルアップしました】

【ネロの闇魔法がレベルアップしました】

【ネロのクリエイト・ダークがレベルアップしました】

【ネロのダーク・オーラがレベルアップしました】

【ネロの再生がレベルアップしました】

【ネロの鑑定がレベルアップしました】

【ネロのアイテムボックスがレベルアップしました】

【アトリがレベルアップしました】

【アトリの鎌術がレベルアップしました】

【アトリの月光鎌術がレベルアップしました】

【アトリの造園スキルがレベルアップしました】

【アトリの光魔法がレベルアップしました】

【アトリの閃光魔法がレベルアップしました】

【アトリの孤独耐性がレベルアップしました】

【アトリの神楽がレベルアップしました】

【アトリの口寄せがレベルアップしました】

【アトリの詠唱延長がレベルアップしました】

【アトリの天使の因子がレベルアップしました】



 シヲ関係と私の【錬金術】を除くすべてが上昇しているようです。戦場に出ているわけでもなく、この成果はかなりのモノですね。

 三日くらいでしょうか?

 アトリはずっと素振りなり、スキルの使用感を確かめるなりしていたようです。どうやらギルドの練習場に籠もっていたようです。


 ステータスを詳しく見ていきましょう。


名前【ネロ】 性別【男性】

 レベル【50】 種族【ダーク・スピリット】

 魔法【闇魔法57】

 生産【錬金術18】

 スキル【再生38】【鑑定17】

    【クリエイト・ダーク55】【ダーク・オーラ38】

    【敵耐性減少】【アイテムボックス12】

    【逆境強化】【致命回避】【スキル未設定】

 ステータス 攻撃【250】 魔法攻撃【250】

       耐久【250】 敏捷【250】

       幸運【250】

 称号【偽る神の声】


 私もレベル50に辿り着きました。

 カタコンベでの戦闘でかなり稼いでいました。この結果は順当でしょう。ですが、もっとも凄いのは【ダーク・オーラ】と【アイテムボックス】のレベルアップです。


 このふたつのスキルは上昇させづらいのです。

 ですが、見事にレベルが数個も上がっております。とくに【ダーク・オーラ】は戦闘中に複数体に命中させて上昇させるところを、独力でレベルアップしています。


 もしかするとギルドに来た人を巻き込んだのかもしれませんけどね。

 アーツを起動せねば【ダーク・オーラ】って禍々しいだけの、消費だけ桁違いのスキルですからね。効果がないのです。


 まあ、私はこれくらい。

 スキルについては後で考えましょう。

 メインはやはりアトリでしょうかね。


名前【アトリ】 性別【女性】

 レベル【51】 種族【ハイ・ヒューマン】 ジョブ【使徒】

 魔法【閃光魔法31】【光魔法61】

 生産【造園28】

 スキル【孤独耐性50】【鎌術59】【口寄せ31】

    【神楽48】【詠唱延長28】【月光鎌術25】

    【天使の因子10】

 ステータス 攻撃【156】 魔法攻撃【379】

       耐久【282】 敏捷【381】

       幸運【319】

 称号【大罪・親殺し】

 固有スキル【殺生刃】


 戦闘していないのに、この上がり幅は破格でしょう。

 アトリの強みは無数にございますけれども、この【孤独耐性】こそが特筆すべきメリットのように感じられます。


 とはいえ【孤独耐性】があっても、努力せねば意味はありませんが。


 いくつかアーツも取得可能になっているようです。そういうのは追々に考えていきたいですが、まずは【天使の因子】アーツを取得しましょうか。

 このスキルは十一個しかアーツがありません。

 レベル1時にひとつ、それから10レベル毎にひとつ、ということで十一個すべてが入手できるわけです。


 順番は重要かもしれませんが、どうせ全部取れるという安心感。

 今、とくに調べたり考えたりせずに選んじゃうぜ。ですっ!(アトリの真似)


 新しく取得したのは【ケセドの一翼】というアーツです。

 アトリが使用を宣言しましたところ、彼女の背のうしろ――右方から斜め上方へ向けて一枚の翼が出現しました。


 翼、というよりは半透明のブレードのような雰囲気です。生物の翼ではなく、機械的と申しましょうか、人工的と申しましょうか。

 不思議な感じです。


「おお! もっと神様の加護!」


 アトリが嬉しそうに、自身の翼を見ようとして、くるくると回転します。自分の尻尾を追いかける犬のようですね。

 かわいい。

 これも録画しておきます。投稿するかどうかは未知数ですけれども、仮に投稿するのでしたら『翼を追いかけるアトリ』でしょうか。


       ▽

 休息を終えた私たちは、森の奥に進んでいきます。

 普通の森でしたら、木のうしろなどからの奇襲を気にせねばなりません。けれども、あまりにも高い樹は隠れる場所がございません。


 まあ、常に上方を警戒せねばなりませんけどね。


「いく」


 十匹ほどの蜘蛛が出現します。【鑑定】した結果、レベルは53とそこそこに高いようです。また、スキルに【産卵散弾】とかいう最悪なモノがございます。

 気をつけて殺しましょう。

 アトリはその場で駆け出そうとしましたが、まずは【殺生刃】を付与した【シャイニング・スラッシュ】を放ちます。その一撃は呆気なく蜘蛛を殺害しました。【殺生刃】に費やしたHPは120%でした。


 そう【天輪】のHPタンクは【殺生刃】に適応可能でした。


 死亡した蜘蛛ですが、その腹から大量の子蜘蛛がぶちまけられました。

 きゃー!

 アトリはまったく怯むことなく、子蜘蛛の群れに走って行きます。靴のスキルである二段ジャンプを使い、一息で集団の中心に着地します。


 群がってくる子蜘蛛の軍団に、アトリは【シャイニング・バースト】を使いました。


 一掃。

 結果を見終わるよりも先に、アトリがもう一匹の蜘蛛に斬りかかります。見事に首を切断すると同時、やはり腹から大量の子蜘蛛が吹き出してきます。


 アトリに【ダーク・オーラ】を使用します。適用するアーツはすべてです。無数の状態異常に加えて、あまり効果が発揮される気配のない【鎌術】の即死効果が発揮されます。

 一匹一匹が弱い子蜘蛛は、問答無用で即死効果で死に絶えていきます。


「アトリさま!」

「解ってる。シヲ」


 アトリに向け、蜘蛛の集団が腹を向けています。うわあ、本当にやるんですか、という私の恐怖を余所に蜘蛛が【産卵散弾】を放ちます。


 全方位から射出される、子蜘蛛の散弾。


 それを防ぐのはシヲです。彼女が肉体をタコ状に替えて、包み込むようにアトリを守ります。子蜘蛛がシヲを直撃します。

 かなりダメージを負いましたが、シヲはミミックとしてHPは膨大です。


 アトリに明確な「死を」覚悟させたことに敬意を表し、シヲには名づけしました。やはり化け物耐久です。


 触腕の狭間から、アトリが【万物、厭忌の朽枝】を覗かせます。

 魔法攻撃をするのでしたら、こちらをメインにしたほうが火力が出ますからね。サブアームから受け取っております。


 光が長杖から迸ります。

 使用した魔法は【スナイプ・ライトニング】です。【閃光魔法】の新しいアーツでしょう。あのアーツは狙撃性の魔法となっております。


 消費MPは高いです。

 ですが、火力が高く、長距離攻撃が可能です。また、頭部に命中した際、さらにダメージを跳ね上げるヘッドショットの概念がございます。


 蜘蛛の頭部が吹き飛びます。


 アトリが杖をサブアームに戻し、大鎌を再度、構え直します。【神楽】の【瞬駆の舞】で距離を詰め、【死導刃】を乗せた大鎌で回転するように斬撃。

 三体の蜘蛛に大ダメージを与えます。


 クリティカルではありますが、【首狩り】が乗っていないために即死はしません。

 瀕死の蜘蛛たちが襲いかかってきます。

 そこにアトリは【フラッシュ】で動きを止めてから【シャイニング・バースト】を放ちました。弱っていた蜘蛛が腹の子蜘蛛ごと吹き消えます。


「わたくしも戦いますわよ!?」


 駆け寄ってきた王女殿下が、掬い上げるように杖を振るいます。


「【杖術】アーツ【掬い上げ】!」


 空中に蜘蛛が吹き飛びます。上空で蜘蛛の足がバタバタと動きます。王女殿下は杖を紅く染めます。

 魔力の煌めき。


「上空でしたら大丈夫、ですわよね? ――【エンプレス・フレア】!」


 蜘蛛の腹を狙った爆炎の一撃。貫通した直後、蜘蛛の肉体が燃え尽きました。


「終わりましたね、はあはあ……つ、疲れましたあ」


 最後の一匹は護衛エルフが倒していました。ちゃんと戦闘をすると大変です。危なげはまったくありませんでしたが……

 精々、王女殿下が森を火事にしないか、というくらいのリスクです。


 この周辺の樹は燃えづらいそうですが、気は配らねばなりません。

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