65:激突、マッチョ軍団!
おそらく敵は纏まって各個撃破を目標としているのだろう。
俺やアーシャが最初に当たっていたらなんとかなったかもしれないが、アキハは遠距離を得意とするのもあり、あっけなく撃破されてしまったのだと思われる。
最初に出くわしてしまったアキハは運が悪かったのか、はたまたこの《レッド・スコーピオン》の情報収集力が高かったのか。
まあ、元軍人のクランらしいし、こちらの作戦が筒抜けだったとしても不思議じゃない。
結局、真正面からぶつかって潰すしかないみたいだな。
それにしても、初っ端からこんな作戦で来るとは流石は元軍人。
互いに信頼し合っていて、かつ命令系統がはっきりしていないと出来ない芸当だ。
「とりあえず、アキハの居たところに向かうか!」
俺は全力で荒野を駆け抜ける。
かなり久しぶりに本気で走ったかもしれない。
おかげでアキハのいた場所に十数秒で辿り着いてしまった。
「……なっ!? 早すぎる!」
「くそっ! これがランキング1位の力か……ッ!」
速攻で辿り着いた俺にマッチョたちが驚きの声を上げた。
驚くってことは、俺がどこにいたのかも把握していたのかな……?
うん、やはり計画は全て筒抜けみたいだ。
ならば、俺が手に入れていた情報も全てダミーの可能性だって出てきた。
俺は警戒心をかなり引き上げる。
アーシャはかなり離れた場所を担当していたから、まだ少しかかるな。
他の子たちは多分、俺たちほど足が速くないから、さらに時間がかかるはずだ。
……逃げられる前に俺一人で倒すのがベストかな。
そこまで考えると、俺は自分の武器を召喚して構えた。
「しかし、ランキング1位とは言っても多勢に無勢! 6人でかかれば倒せるはずだ!」
マッチョの一人がそう言って発破をかける。
隊長らしき人だ。
しかし彼がリーダーじゃない可能性だってある。
彼を倒せば終わるとも限らないわけだ。
だが、全員倒してしまえば関係ない。
俺は逃げられる前に速攻で勝敗を決めるため、《創造の書・出典:破壊神憑依》を使用する。
おっさんの俺には似合わないような白髪のかっこいい姿になり、ドローンのカメラが寄ってくる。
……これを全世界に配信されるの、クソ恥ずいな。
まあ、ダンジョン配信サイト《シーカーズ》で散々見られてるだろうから、今更な気もするけど。
「ちぃっ……! 早速本気みたいだな!」
「でもそう来ると思っていたぜ!」
「想定通りに動いてくれてありがとな!」
マッチョたちはそう言って、俺の姿に警戒しながらも、襲いかかってくるのだった。
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ここまでお読みいただきありがとうございます!
先日、4/25に『シーカーズ〜迷宮最強のおじさん、神配信者となる』というタイトルで秋田書店様からコミックが発売されました!
漫画家さんにとても面白くしていただき、是非皆さんにも手に取ってもらいたいほど素晴らしい出来ですので、どうかコミックの方もよろしくお願いいたします!
下記の近況ノートから表紙イラストを確認できますので、何卒よろしくお願いいたします!
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