44:第三形態、拳
そしてとうとう200層のボス部屋に入る三人。
コメント欄も大盛り上がりだ。
——頑張れ!
——勝って欲しい!
——楽しみだな!
視聴者数も同接4万。
この間の俺と変わらない数字だ。
そして出てくる【漆黒のナイト】。
テラテラと黒い鎧が松明の光を反射させている。
「頑張ろうね!」
アキハがそう声を上げた。
それにユイとリンは頷く。
そして何度もシュミレーションしていたのか、スムーズに攻撃に入る。
まずはリンが前に出て敵に斬りかかる。
もちろんそれはナイトの剣に防がれるが。
その背後からアキハの魔法【達人の書:ファイアランス】を放っていた。
おおっ、いつの間に達人の書を。
アキハの持ってる達人の書は魔法威力増加くらいだったはず。
また新しい達人の書を手に入れたみたいだった。
ゴウっとナイトに向かって一直線に飛んでいく炎の槍。
それをリンはギリギリで避け、しっかりとナイトに突き刺さった。
リンはナイトが逃げ出さないようにわざと攻撃を仕掛けたっぽいな。
ちゃんと作戦を練ってきているみたいだ。
ナイトは叫び声を上げながら燃えている。
その隙を逃すリンとユイではなかった。
燃えながら悶えているナイトに突き刺すように剣を立てて突撃する。
ザクっと二方向から突き刺さる二つの剣。
それでもまだ倒せておらず、粒子にはなっていない。
一旦剣を引き抜き、リンとユイは下がった。
それと同時にナイトの持っていた黒い剣は大剣と変わる。
これが第二形態だ。
珍しくこのボスは第三形態まである。
第一が普通の剣。
第二が巨大な大剣。
第三が徒手である。
徒手が一番強いんかと思うが、このボスの徒手はありえないくらい強い。
隙が少なく威力も上々。
たまに蹴りなんかも飛んでくるのだから洒落にならない。
そしてスムーズに第二形態にした三人は攻撃の手を緩めなかった。
今度は【上級の書:ウィンドカッター】を使った。
魔法スキルにだけ一定時間のクールタイムが設けられている。
俺のよく使う身体能力向上系のスキルはパッシブだからそう言ったのはないが。
風で作られた円形のカッターがナイトを襲う。
それを今度は避けようとするナイトだったが。
どうやらアキハの狙いはそこではなかったようだ。
その余波の風で消えそうになっていたナイトの炎がまた燃え盛る。
よく考えられているな。
それからユイが近づき大振りな大剣の攻撃を避けながら攻撃を差し込んでいく。
リンの直剣は大剣とは相性が悪いからな。
双剣のような手数の多さがないので、大剣の威力に押し負けてしまう。
しばらくして追い詰められた漆黒のナイトは大剣を放り投げると、拳を構えるのだった。
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