40:ユイによる作戦会議
「派手に行くってどうするんだ……?」
俺はユイにそう尋ねる。
するとユイは得意げにこう答えた。
「まずはトオルさんのボス攻略と、私たち三人でのボス攻略を配信したいと思います」
なるほど。
それで話題性を作るわけか。
流石ユイだ。
よく考えている。
「俺は普通に攻略していけばいい感じか?」
「はい、そうですね。そのままボスを倒してもらえれば」
普通に倒してもらえればって言うけど、そう簡単なことじゃないんだがなぁ……。
まあでも、できないことはないだろう。
破壊神憑依を使えば、いけそうな気がする。
「てか、三人は大丈夫なのか?」
「もちろんです。このために実はこっそり練習してたんですよ」
そうなのか。
全く知らなかった。
「それにみんなの攻略階層も合わせておきましたし」
用意周到のようだ。
「ちなみに何階層のボスに挑むんだ?」
「200層に行こうかなって」
前はリンとアキハは130階層が限界だったような。
かなり頑張って進めたらしい。
「そういえば、リンは俺と一緒に450階層まで来たよな?」
「はい、行きましたね」
「それで450階層まで行けるようになったりしたのか?」
俺が聞くと、ユイは首を横に振った。
「いえ、行けないです。よく仕組みは分かりませんが、戦闘での貢献度や実力によっては開放できないみたいですね」
そこら辺はしっかりと管理されているらしい。
このダンジョンを誰が作ってどうやって運営しているのかも分かっていないが。
かなり考えて作られているっぽいんだよな。
不思議なことだらけだ。
「まあ、そういうことですので、準備をしておいてください」
「ああ、了解した」
そしてその話を切り上げるように、ユイが手を叩いてこう言った。
「よしっ! それじゃあこの話はこれで終わりです! お腹すきましたね」
「ああ、お腹すいたな」
俺が頷くと同時に、レイジ君のお腹も鳴った。
「うん、みんなお腹空いているみたいなので、今日は私が腕によりをかけて料理しようと思います!」
「おお! 何を作るんだ?」
「それは作ってからのお楽しみです!」
そして俺たちは近くのスーパーまで買い出しに行って、夕ご飯を作ってもらうことになった。
ユイはかなり家庭的らしく、作ってくれたハンバーグはとてもおいしかった。
かなり本格的で、俺がいつも食べている冷食のハンバーグとは全く違う。
……まあ、当たり前だけどね。
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさま」
俺とレイジ君は手を合わせてそう言う。
それにユイはニッコリと笑ってこう言うのだった。
「お粗末様でした」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます