コン子とロウ子のコラボ配信

前回のあらすじ 川上さんが協力者になった。


 川上さんが協力者になった日の夜。僕たちは早速3人で作戦会議をすることになった。モニターの画面には狐の耳をつけた美少女「狐山 コン子」と狼の耳をつけた美少女「星守 ロウ子」がいる。


 画面だけ見ると仲のいい姉妹のようだが。


 「早速作戦会議を始めるわ」


 コン子は神妙な面持ちでそう言った。改めて宮川さんはVtuberなんだなと理解した。


 「私にいい考えがあるわ!」


 ロウ子はドヤ顔で元気に言う。本当に大丈夫だろうか?


 「私とコン子でコラボ配信しましょう!」


 「いやよ」


 「なんでよ!」


 流れるようにコン子は断る。ロウ子も流れるようにつっこんだ。案外ノリが合うのでは?


 「でもコン子、コラボ配信というのはすごくいいと思うよ。二人のそれぞれの視聴者が見に来てくれてチャンネル登録者数もきっと増えるよ!」


 「いやよ」


 「なんでよ!」


 流れるようにコン子は断る。僕も流れるようにつっこんだ。コン子は頑固だ。


 「そもそもあなたチャンネル登録者どのくらいいるのよ」


 コン子は禁断の質問をした。その質問大丈夫か?


 「しかたないわね!ビビっても知らないわよ!568人よ!」


 ロウ子は自慢げに宣言する。


 「私より少ない雑魚Vtuberじゃない。いやよ」


 「ちょっと!私のリスナーを馬鹿にしないでくれる?いかに宮川さんでも許さないわよ!」


 二人の仲は最悪だ。


 「まあまあ。コン子一回コラボしてみようよ!またから揚げあげるからさ」


 コン子は一瞬びくっとした後


 「しかたないわね。一回くらいならやってあげてもいいわよ」


 と了承してくれた。宮川さん相当から揚げ好きなんだな。


 そして次の日、コン子とロウ子の初めてのコラボ配信が始まった。


 「こんばんロンロン!今日はロウ子の配信にゲストが来てくれたわ!早速紹介するわ!「狐山 コン子」よ!」


 コメント 「わああーー」「だれ?」「初めてじゃない?」「コン子だ!」


 「ちょっと!何で私がゲストなのよ。あなたがゲストでしょ」


 「私のチャンネル何だからあなたがゲストでしょ!いいから挨拶して!」


 コメント 「喧嘩するなww」「コン子さまーー!!」


 「こんばんは「狐山 コン子」よ。今見てる人はチャンネル登録しなさいじゃないと殺すわ」


 コメント 「キターーー!」 「いつもの」


 「何言ってるのよ!殺すとかダメでしょ普通!」


 「うるさいわね。これが私の挨拶なのよ」


 「もうとにかく今日の企画いくわよ!「お互いについて知ろう質問ゲーム!!」わあーー」


 コメント 「わあーー」「何それ」


 「この企画は自分についての質問を相手にして答えてもらおうという簡単な企画だわ!とにかくやって見れば分かるからやっていきましょう!まず私から」


 「私の好きな食べ物はなんでしょうか?」


 コメント 「ラーメン」「ラーメンやろ」


 「豚肉とか?贅肉多そうだし」


 「違うわよ!女子に贅肉多そうとか死にたいわけ?!」


 コメント 「豚扱いで草」「辛辣すぎる」


 「もう次はコン子の番よ」


 「はあ。じゃあ私のチャンネル登録者数は?」


 「知らないわよ!この前私より多いって言ってたじゃない!わざわざ言わせたいわけ?!」


 コメント 「ひどくて草」「さすがコン子様」


 「次は私の番ね。私はリスナーの事をなんて呼んでるでしょうか?」


 コメント 「うさぎ」「うさぎだな」


 「肉に寄って来るハイエナとか?」


 「違うわよ!そしたら私肉じゃない?!肉って言いたいわけ?!」


 コメント 「まあ間違ってはない草」「まあ肉」


 「ちょっと!コメントうるさいわよ!次はコン子の番よ」


 「はあ。じゃあ私の嫌いなVtuberは誰でしょう?」


 「・・・わたし」


 「正解よ」


 「何なのよ!コラボ相手に嫌いとかあり得ないんだけど!もういいあなたと二度とコラボはしないわ!」



 配信は終了しました。


 終わったーー。いろんな意味で終わったー。僕はパソコンの前で彼女らの配信を見ながら頭を抱えた。あの二人がここまで仲悪いなんて。無理にコラボとかさせる前に二人に仲を良くする必要があったな。とりあえずこの配信は削除してもらおう。


 「二人とも今から反省会をするよ」


 僕は彼女らにメールを送った。


 数分後、二人がパソコンのビデオチャットに入ってきた。二人とも画面共有をしてきて画面にはコン子とロウ子が映っている。


 二人ともそっぽを向いている。この二人を仲良くなんてできるのだろうか?


 「とりあえず二人とも配信で喧嘩はだめだよ!夢を届けるのがVtuberなんだから」


 僕は二人を叱る。二人は相変わらずそっぽを向いてこっちを見ようとはしない。二人を仲良くさせるにはどうすればいい?こうなったら


 「よし、こうなったら三人で遊びに行くよ!」


 これを聞いた二人はようやくこっちを向いてくれた。


 「え?行きたいわ。どこに行くの?」


 「まあ。遊びにいくのも悪くないわね」


 二人は顔を見合わせた後すぐに顔をそむけた。


 「うーん。じゃあ海とかどうかな?」


 今ちょうど夏だし。二人の水着もみたいし。


 「いいわ!行きましょう」


 「いやよ。日焼けするの嫌だし」


 川上さんは乗り気だが宮川さんは行きたくないようだ。こうなったら


 「宮川さん。今度一番高いグラフィックボード買ってあげるよ!」


 これでどうだ?宮川さんは驚いて僕の方を見る。


 「それ本当でしょうね?」


 「本当だよ!」


 ばいばい僕の貯金。


 「いいわよ。行きましょう」


 やったー。みんなで海だーー。


 「よし!次の週末はみんなで海だよ!」


 次回水着回です。


 



 


 




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