102 魔法も覚え放題作り放題!

 ドロップ品はコアルームに出してくれた。

 全部サクッと一斉に収納し、召喚関係の書物は脳裏に浮かぶタイトルチェック。

 中々読み応えのありそうなものばかりだった。どれから読むのかも迷うかもしれない。


 そして、ダンジョンコアに魔力を注いで登録すれば、アルがダンジョンマスターだ。


「その前に、ダンジョンが攻略されたこと、ダンジョンマスターに誰かがなったこと、って、外部に分かるような変化ってある?」


 アルは再び、コアに手を置いて話しかけた。

 スピーカーに出来ないものか。

 …いや、アルの概念が伝わっているから、スムーズに訊きたいことの主旨を理解しているが、音声だけの会話だと話が混乱してマズイか。


【ダンジョンが攻略されたことは発表しなければ分かりません。ダンジョンマスターになったことは、マスターがダンジョン内の改変をしない限り気付かれることはないです】


「発表っておれが、じゃねぇよな?どうやるんだ?」


【ダンジョンの出入口の側にボードを設置し、ダンジョンボスだったヒュドラが討伐され、ダンジョンは攻略された旨を表示します。ヒュドラ討伐にかかった時間、誰がどのようにして、と詳細の表示も出来ます】


「いや、詳細はやめてくれ。じゃ、1階から最上階までの踏破時間、討伐魔物数の表示、ヒュドラ討伐にかかった時間と攻略された表示、というのは出来る?おれの名前や特定されそうな人物風体は伏せて」


【可能です。しかし、あなた程、強い人は滅多にいないのではないでしょうか】


 強さで特定される、とダンジョンコアも気付いてしまったか。


「ふっ。こんな時のために用意した別人がいるんだよ。…あ、それで発表してもらおうかな」


【言葉の意味が分かりません】


「まずは登録してからだな」


 アルはコアに魔力を注ぎ、ダンジョンマスター登録した。

 本当に登録で名前と年齢と日時が登録されたのが分かった。

 たっぷり魔力がいるのかと思いきや、そんなこともなく、魔道具を使う時程度だった。


「早速だけど、おれのステータス、ダンジョン探索履歴も含めて紙に表示してくれ。多ければ本にして」


【かしこまりました。マスター】


 待つ程もなく、ちょっとした本がぺらんっと宙から出て来たので、アルは手に取る。


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名前:アル(アルト)

年齢:16歳

状態:良好

職業:冒険者(Cランク)、ダンジョンマスター(キエン)

Level:85

HP:6450/6450

MP:345600/345600

攻撃力:SS

防御力:A

魔法防御力:A

素早さ:A

器用さ:S

知力:SS

幸運:B

スキル:多言語理解、物理・魔法・状態異常全耐性、魔力自動回復、浮遊魔力利用、剣術、錬金術、鑑定、体術、魔力操作

魔法:生活魔法、空間魔法(収納、転移、次元斬)、属性魔法(火・水・風・土・雷・氷)、身体強化、結界魔法、付与魔法、探知魔法、重力魔法、回復魔法、飛行魔法、影魔法(影転移、影拘束)、ボイスチェンジャー

称号:転移者、時には虐殺もする快適生活の追求者、アリョーシャダンジョンソロ攻略者、ロンリーバイカー、パラゴダンジョンソロ攻略者(2回)、知的探究者、ディメンションハウスの所有者、キエンダンジョンソロ攻略者、キエンダンジョンマスター

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 …おお!【影拘束】が増えている!魔力が爆上がりしているのは、転移を繰り返したことで魔力を消費し、回復し、を繰り返したからだろう。26万だったのが34万まで上がっているのはかなりすごい。

 ステータスボードとダンジョン探索履歴まで載っているステータス本を見比べたが、基本ステータスは同じだった。

 探索履歴はものすごく細かいので、ぱらぱらめくった後は収納。

 念のため、新しい称号を鑑定しておく。


【キエンダンジョンソロ攻略者・レアドロップ率、隠し部屋遭遇率がよくなる】


 これは他のダンジョンと大差ない。


【キエンダンジョンマスター・ダンジョンの管理、運営が出来、コアに命じてほぼ何でも作らせることが出来る。食材、マジックアイテム、スクロールも可能】


「何ぃっ?」


 アルが気付かなかった鑑定様がとんでもないことを教えてくれた。

 スクロールも作れるのなら、魔法も覚え放題作り放題、ということだ。

 しっかりと鑑定しておいてよかった。危うく気付かない所だった。

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