魁!世直し遊軍!5(ご)じょう隊!  1





ミシンを前にして千角が里奈に聞いた。


「里奈ちゃん、待ち針を差すのはこれぐらいで良い?」


彼の手元には裁断した布がある。


「そうね、心配なら仮縫いをしても良いけどどうする?」

「面倒だからこれで縫っちゃうよ。」

「でも失敗したら解かなくちゃいけないから丁寧に縫ってね。」

「りょうかーい。」


里奈の手ほどきを受けながら千角は簡単な服を作っている。

貫頭衣のシャツで縫うのは首回りと脇と袖ぐりだけだ。

かなり個性的だが千角なら着こなすだろう。


「ところでさ、里奈ちゃん、そこに掛けてある服って何なの?」


それは先日玖磨の前で着せて見せたウシワカーヌの衣装だ。


「5じょう隊と言う特撮のウシワカーヌと言うキャラの服よ。」

「その横にあるのは男物?まだ作りかけだね。」


里奈がふふと笑う。


「そう、ベン・ケインの服。

お話の中ではお互いに好意を持っているんだけど

なかなか言い出せないの。」


千角がにやにやしながら言った。


「でも玖磨くまさんとはいい感じじゃないの?

でかい服だから玖磨さんのだよね。」


里奈が赤くなりごまかすように言った。


「千角さんは5じょう隊の事は知ってるの?」

「知らないなあ、テレビはあまり見ないし。」

「元々人気は無かったから知っている人の方が少ないのよ。

私は好きなんだけど。」

「どんな話なの?」

「5じょう隊が世直しする話よ。ブルーレイがあるから見る?

丁度見ていてデッキに最終回分が入ってるの。」


そう言うと里奈がブルーレイの電源を付けた。


さきがけ!世直し遊軍!5じょう隊!』


派手な爆発と決めポーズとともに

その5じょう隊が画面に現れた。







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