第5話

「父さんここでいいの?」


場所は変わってレストランの一室前に来た。

このレストランは部屋を貸し切ったり、大広間を使うこともできるらしい。


父さんが扉を開けて部屋に入る。

それに続いて俺も部屋に入ったんだが、俺の目に入った光景は変わっていた。

レストランの内装は洋風で白を基調としていたんだけど、部屋の内装は原木や畳など和を感じさせる部屋になっていた。


そして何より僕より背が高いイケメンな女性とすっごく厳つい男性が居た。


「父さん、ほんとにこの部屋で合ってる?」

「何をビビってるんだお前は」

「いやだって、おっぱいが付いたイケメンと、極道の組長みたいな人が」

「何を言っとるんだお前は!」

「痛!」


なぜか父さんに殴られた。

いや理由はわかってるんだけど。

声に出ちゃったものは仕方ないじゃん。


「すいません息子が失礼を」

「いえいえ、私もこんな見た目ですから怖がるのも仕方ないですよ」


なんて優しい人なんだ!

見た目のことを言われて怒らないなんて俺ならできない、と思う。

最近はなれてきたからたぶんできるか?


「それでは改めまして小雨 雄登くん、はじめまして柊 敬之(ひいらぎ のりゆき)です」

「えっとよろしくおねがいします」

「澄華もいじけてないで自己紹介をしな」


柊さんが、いや敬之さんが隣に座る背が高い女性にそう言う。


「お久しぶりです。おっぱいが付いたイケメンです」


おっぱいが付いたイケメンさん、もとい澄華さん?が少し頬を膨らませながらいじけるようにそういった。


「柊 澄華さんなんですか?」

「ええそうよ」


せっかくおめかしして女の子に見せたかったのにと言いながら俺がずっと会いたかった人、澄華さんがそう言った。


「はぁ、大好きな人からこう言われると複雑な気持ちになるなぁ」

「大好きな人?俺がですか?」

「そうよ、小さい頃に私を守りたくなったから帰ってきて結婚するなんて言われたら女の子は好きになっちゃうの!」


なんかすごいことを言われた気がする。

状況が整理できない。


小さい頃のあれを覚えていて、好きになって、帰ってきたから俺と会う予定を取り付けたってことか?

そうなのか!?


「えっと本題に入りたいんだけどいいかな?」


俺が混乱していると敬之さんがそう言った。


「本題?」

「そうだよ、まさかここに来たのは澄華に合わせるためだけだとは思っていないよね」


なんかすごいことが始まりそうな気がする。

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昔片思いしていた友達がいつの間にか許嫁になってました。 〜おっぱいが付いたイケメンが許嫁でしかも俺のほうが身長が低いなんて〜 さらさらじゅぶこ @ahoy

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