第3話
転校初日から恥を晒して疲弊しきった体を動かし家に帰る。
家につくと父さんはスーツに着替えていた。
普段リモートワークの父さんがスーツを着ているのを見るのはなんだか新鮮だ。
「父さんなんで今日はスーツ着てるの?」
「ん?雄登には朝言っただろ、今日は人と会うってだからお前は風呂入って制服着とけ」
「わかった」
人と会うだけでスーツとか制服とかきっちりとした服装をしないといけないのか。
普段そういう機会がないから分かんなかったな。
風呂で体を洗ってから浴槽に浸かり考える。
俺が知ってる人で、更に俺が楽しみにできる人。
「もしかして柊さんだったりして、ってそんなことないか」
引っ越してまだ1週間もたってないのに会えるわけがない。
じゃあ誰だ?
父さんの仕事関係者かな。
でもそれだったら俺父さんの仕事関係者で知ってる人いないし、昔あったことある人か?
いやでも、あぁああ分からん。
とりあえずもう上がるか。
髪の毛は、セットしないでいっか。
あと1時間、どうやって暇を潰そうか。
<???>
「お父さん、あと2時間で会えるんですよね?」
私は何度も何度もお父さんに時間を聞く。
小さい頃から大好きだった男の子、結婚の約束をして引っ越してしまったそんな男の子に今日会える。
そう思うとずっとドキドキして、ワクワクして昨日は寝れなかったし、今日だって朝からずっとドキドキしながら色々と準備した。
1年ごとに彼の写真は見せてもらってたし、容姿も性格も私好みで一度捕まえたら逃したくないし、できれば私のことも好きになってほしい。
結婚を約束したい名付けという関係ではあるけど彼はそれを知らないし、もし子供の頃のしょうもない約束だろ?とか言われたらと思うと、少し怖く感じる。
学校ではおっぱいが付いたイケメンとか言われてる私が本当に彼に好かれるのかわからないし、彼との身長差は約30センチ。
しかも私のほうが高いから、この身長差は嫌とか、自分のほうが背が高くないととか言われたらどうしよう。
「お父さん、私はほんとに彼に好かれるんでしょうか…」
不安と恐怖がこみ上げて来て吐き気がする。
ほんとに大丈夫なのだろうか。
「大丈夫だよ、澄華なら」
なんて優しい親なんだろう。
私は気合を入れ直して車へと乗り込んだ。
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最近誤字報告がないので大丈夫なんでしょうけど少し怖いですね。
ということで誤字があったら報告していただけると嬉しいです。
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