第2話
俺は今、自分の背が低くて顔が女顔なことをすごく悔やんでいる。
男なのに女子グループに入れられて、挙句の果てには男子からも可愛がられるんだぞ!?
「なんでこんなことに…」
「いいじゃん小雨っち!小雨っちが可愛いのがいけないんだよ?」
ぐはっ。
圧倒的ギャルの破壊力。
俺にこのあだ名をつけたのはこのクラスで結構上位カーストにいるギャルの椎名 明海(しいな あけみ)さんだ。
朝学校に到着して新しいクラスで自己紹介したら椎名さんに目をつけられた。
最初は脅されてお金でも巻き上げられるのかと思ったけど、何故か俺はこのクラスの愛されキャラへとジョブチェンジしてしまったらしい。
よくよく考えたらこの高校は結構偏差値が高く、中学校で優秀な成績を収めている生徒しか入学できないからそう言うことはあまりないんだっけ。
転校前の高校で結構そう言うことが起きてるって噂があったからちょっとびっくりしちゃったな。
「ところで椎名さん、なんで俺の髪を結んでるのかな?俺今日予定があるから髪解かないといけないんだけど」
「小雨っちの髪の毛さらさらでずるいんだもん。ねーみんな」
椎名さんは俺の髪の毛がサラサラなのがずるいらしい。
「「そうそう」」
椎名さんだけじゃなかったみたいだ。
女子のみんなも結構さらさらしてそうだけど、なんて言ったらすごくにらまれそうだからやめとこう。
「ところでみっちゃんの用事って何かな」
椎名さんと一緒にいる女子がそう言った。
「みっちゃん?」
「そういえば小雨っちは知らないんだっけ。みっちゃんっていうのはね、そこのあいてる席あるでしょ?」
椎名さんはそう言いながら空いてる席を指さした。
「普段その席で授業を受けてる、まぁ簡単に言うならおっぱいが付いたイケメンだね」
「おっぱいが付いたイケメン?」
漫画でしか聞かないようなワードに俺は首を傾げた。
みっちゃんって呼ばれてるくらいだから女の子なんだろうけど、どうしても想像できない。
「まあ想像するより実際に会ったほうがいいと思うよ。多分小雨っちは気に入られると思うかな」
「そうなんだ」
そのみっちゃんって人に会うのは何故か楽しみだ。
仲良くなれそうな気がする。
「あ、小雨っちのお耳発見!小さくてかわいい!」
「ちょっとくすぐったいって!」
耳だけはダメなんだ!
小さい頃に犬に舐められてからなんかダメなんだ。
「ちょっと、まじで!やめてくれぇ!」
なんで転校初日から恥晒してんだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます