昔片思いしていた友達がいつの間にか許嫁になってました。 〜おっぱいが付いたイケメンが許嫁でしかも俺のほうが身長が低いなんて〜

さらさらじゅぶこ

第1話

目の前に広がる風景に少し驚く。

引っ越す前に住んでた街、小さい頃の俺、少し懐かしさを感じる女の子。

どこか見たことがある。

あぁ夢を見てるのか。

記憶という名の思い出を夢として思い出している。


少しずつ目の前の記憶に命が吹き込まれていく。

まぁ正確に言えば思い出してるだけなんだけど。


「俺が君を幸せにするよ!忘れないでね!俺は絶対帰ってくるから、帰ってきて君と結婚するんだ!」


こんなことも言ってたっけ。

少し恥ずかしく感じるな。

ほんとに会えるかすらわからないのに、自分があの子が好きだからという一方的な愛を押し付けて、期待させて。


「なんでそんなことを私に言ってくれるの?幸せにするとか、帰ってくるとかほんとにできるの?私忘れないよ、いいの?」


確かこんな感じで正論を返されて戸惑ってたんだっけ?

で、俺はなんて答えたんだっけ。


「君が小さくて守りたくなったんだ!」


我ながら結構ひどいと思う。

身長の高さは結構コンプレックスになる人もいるって聞くし、何より理由になってなくないか?わからんけど。


「それだけ?私と結婚したい理由が少なくない?」

「あ、えっと他にもたくさんあって!」

「ふふっ、じょーだんだよ!」


そうそう、俺は彼女のこの屈託のない笑顔が好きだったんだ。

ずっとこの笑顔を見ていたいって思ったんだった。




                ◇◇◇




「雄登、準備できてるか?あと1時間で学校だぞ」


俺の部屋の扉を叩く親の声で目が覚めた。

時計の時間を見て少し焦る。

6時50分、みんなは別に遅くないと思うだろうが俺、小雨 雄登(こさめ ゆうと)は今日転校生として新しい学校に通わなければいけない。

遅刻なんてしたら第1印象最悪だ。

というわけで6時20分にアラームをセットしてたんだけど、二度寝したらしい。


「今日学校初日だろ?そろそろ起きないとやばいんじゃないのか?」

「わかってるよ、父さん。いまちゃんと起きたから」

「そうか、ところで今日早く帰ってきてくれないか?会わせたい人がいるから」

「ん、会わせたい人?それって俺が知ってる人?」

「あぁ知ってるはずだぞ。誰とは言わんが楽しみにしておいてくれ」

「わかった」


父さんと話しながら朝食を済ませ、歯磨きと洗顔を終わらせる。

朝食を取りながら見たニュースの占いでは運勢1位。

ちゃんと折りたたみ傘もあるしこれで大丈夫のはず。

俺はこれからの高校生活にドキドキしながら一人の人物の名前を思い浮かべた。


柊 澄華(ひいらぎ すみか)さん、また会えるかな。

それは俺が夢で見た女の子の名前である。


「行ってきます!」


俺は色んな気持ちが混ざり合いながらも玄関から飛び出し高校を目指した。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


お久しぶりです、本作品の作者ことさらさらじゅぶこです。

今までの作品が更新できず申し訳ありません。

受験など色々なことが重なり、自分が更新できない状況にありました。


今回の作品は気合込めて執筆していますので完結まで読んでいただけると嬉しいです。

新規の人は、今作だけでなく過去作の方も読んでいただけると光栄です。

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