第19話ゴキブリとライオン
新型コロナウイルスの影響は凄まじかった。
久山も事務所にあまり来なくなり、営業活動自体が出来ない。
マスクやトイレットペーパーが店頭から無くなったり日本、いや世界全体が混乱していた。
そして
事務所は解約という形になった。
久山から電話がかかる
久山「おい今池袋物件の下にいるがいるか?」
拓矢「はいいますけど」
久山「少し話そうぜ、降りてこい、車にいる」
降りると久山が待っていた
心なしか元気が無いようにも見える
助手席に乗る
遠い目をしながら
久山「海でも行くか」
拓矢「あの、、沈められるとかじゃ」
久山「バカ、お前を沈めてなんのメリットあんだ」
豊海水産埠頭
目の前には海、レインボーブリッジが見える
煙草に火をつける久山
背中から哀愁が漂っている
拓矢「東京にもこんな所あるんですね」
久山「ここは車で海に横付け出来るんだよな、一人で考え事するときよく行くんだよ」
拓矢「益田さんと連絡取ってます?」
久山「怖くて連絡とれねぇ、ちなみに今俺友人から金貸してくれの電話5件くらい来てる、拓矢お前今生活状況や貯金とかどうだ?」
拓矢「まぁまだあのシェアハウスに住んでるんで貯金はお陰様で同年代より多いですよこれからわからないですけど」
久山「この世が戦場なら金は実弾だ、いざという時に貯めておけ、そしてゴキブリは水一滴髪の毛一本で一週間生きれるが、ライオンはシマウマにありつけないとすぐ死ぬ」
拓矢「久山さん、意外に堅実ですよね」
久山「下積み長いからな、益田だけでなく不動産屋はライオンみたいな生活してるの多いからな客がシマウマだとすれば今あいつは月の出費もあるからかなり生活キツイだろう」
拓矢「俺等はゴキブリですか」
久山「本題に入る、車使っていいから俺の仕事手伝わないか?今千葉、群馬、お前のいる東京に物件あるから管理だ、家賃無料、お金も歩合だが払う、これからの時代ゴキブリの様に水一滴で生活出来る奴が勝つ」
ギンギラギンな世界から一転
久山物件の管理が始まった。
車で物件の見回りや家賃の回収、トラブル対応をする。拓矢の性格もあるが入居者と仲良くしたりする。
ただ、コロナウイルスの不況感はやばかった。
千葉物件の家賃の回収に向かった、連絡が取れないからだ。全身入れ墨の入ってるパチンコ軍団をやっている気さくな人だった。
ドアをノックする
拓矢「入りますよ、、えっ!?!!」
死んでいた。
これは序章で
コロナが始まり2年間、拓矢は入居者3人自殺2人は突発や事故死に見舞われる
「経済は人を殺す」
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