偽りの真実
たから聖
第1話 偽りの真実
ここは忍びの里……
『カイ!!今日こそは仕留める!』
『
ここでは恋愛は御法度なのだ。
常々、第1線で闘わなければならないからだ。
恋愛してるなんて事が知れ渡ったら、ワタシは
生きていけない……。
ザグッッ!!
『ハッハッ!!空、もう一息だったな!』
『何を??!』
お互いがお互いを思うが余りに、トドメを刺せないで居る。
その夜……修行が終わると焚火をしながらも
どちらともなく言い出せない空気……だけど…痛いほど分かる。
焚火も消えかける頃。
カイは寝転び、寝息を立てていた。
(こんな時も狙われるのに。カイってば。)
ワタシはカイにお別れを告げるべく、
唇にキスをした。
カイの安らかな寝顔。美しい横顔。ワタシの全ての理想を詰め込んだ容姿……
男らしいカイ。今までありがとう。
そう思いながらも私は刀をカイへと勢いよく振り下ろした!
ザシュッ!!
カイは……片手を血塗れにしながらも刀を受け止めていた。
『お前!?何すんだ!』
『へ?いつから起きてた?』
『ずっとだよ。まさかな…』
ワタシは顔がカァッッと熱くなる。
(カイに知られた?!!)
ワタシは唇を押さえてその場を走り去った。
次の日、ワタシは修行に励むカイを離れた場所から
見ていた。
(どんな顔をすれば良い??)
キスしたんだもの。どうしよう。
カイは…私の姿を見付けるとダッシュでコチラへ向かってきた。
手には刀を持っている!!
ワタシはすかさず刀を構えるが……
愛しているから
耳に微かに聴こえる声は、一体誰?
その瞬間!!
ワタシはカイに胸を刺された。
愛しているから
そうだ。
この声は……ワタシの耳に届く
この声は…
意識が遠のく中で、、、カイがワタシの返り血を浴びながらも
抱き寄せた。
『馬鹿野郎!!何でいつもみてーに避けねぇ??!』
涙が止まらない。ワタシ…
血塗れの手をカイの頬へと寄せる。
カイも涙をたくさん流してくれてるのね?
『偽りの真実』
愛しているからだから……
パタリと手が落ちる。
私たち
愛し合ってたのね。最後に分かるなんて……
神様は卑怯ね……
[完]
偽りの真実 たから聖 @08061012
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