母親の突然死
風呂を出た後、自分の部屋でテレビを観るなど、寛いでいた。この時おそらく母親は入浴していたのだろう。
夜の11時前、翌朝も早く起きなければならないので、もう寝ようと思い、布団に入ろうとしたその時・・・。
「ドン、ドン、ドン、ドン、ドン」
窓を激しく叩く音がした。父親が風呂場の有る別の建物(工場)から窓を叩いていた。
「なっ!!何?」
すぐに窓を開けようとした。
「早くしてくれ!(母親の名前)が風呂で溺れている!もう死んでいるかも!!」
一瞬、何を言っているんだと思い、風呂場の有る建物へ向かった。
風呂場に行くと、母親が湯船の中でぐったりしていた。
「うーわっ!!やりよった!」
よく見ると、お湯は、流されて、ほぼ無くなっていた。父親が咄嗟に栓を抜いて流していたのだった。
自分は、あたふたした状態だったが、父親が・・・
「湯船から、引き出そう」
二人がかりで母親の体を持ち上げ、洗面所のすぐ外の床に寝かし着けた。そして、スマートフォンで、救急車を呼んだ。
「今、救急車がそちらに向かっていますから、心臓マッサージをしてください」
救急隊員に、言われたのだが、心臓マッサージなどやった事なかった。
「胸を押し続けてください」
自分は救急隊員に、言われるまま、母親の胸を押し続けた。
「あっ!ちょっと吐いたんと違うか?」
父親が言ったのだが、母親の意識がないままだった。
その後、救急車のサイレンが聞こえて来たので、1階に降りて、入り口のシャッターを開けて、救急車の到着を待った。
自分は救急隊員に。
「この2階です!!」
と言うと、2人救急隊員はストレッチャーや、電気ショックを与える機器を持って2階に上がって行った。すぐさま救急隊員は、床に寝かし着けた母親の元に向かい、人口呼吸器など装着。
「心肺停止状態!!」
救急隊員がそう言うと、電気ショックを与える機器を胸に装着。何回か電気ショックを与えたものの、回復する兆しが見えない。
父親は、母親の姉にあたる叔母さんに電話を入れていたようだったが、夜遅いせいか出なかった。
回復の見込みがなさそうなまま、母親はストレッチャーに乗せられ2階から降りて来た、そして、シャッターを開けた入り口から救急車に乗せられ、自分も付き添いで救急車に乗り込んだ。
しかし、なかなか出発しなかった。コロナ患者が多いせいか、受け入れてくれる病院がなかなか見つからないようだった。自宅から歩いて10分くらいのところにも大きな病院が有るのだが・・・。その間にも、救急隊員が心臓マッサージを続けていた。
約10分くらい後に、ようやく救急車はサイレンを鳴らして出発した。かなり離れた病院に向かっているようだった。なかなか病院に着かない、その間も救急隊員は心臓マッサージをやり続けていた。
約20分近く走り続け、城東区の大阪市立医療センターに運ばれたようだ。
病院に到着した後すぐに母親は、治療室へ、自分はフロントで待たされた。
しばらくしてから、医師が自分のそばに。
「応急処置をしましたが、回復の見込みが無いです。・・・死亡確認お願い出来ますか?」
自分では判断出来ないので、とりあえず父親に電話をかけて医師に渡した。
おそらく父親ももう「死亡でいいです」と言ったのだろうか?
電話を切った医師から、死亡確認をお願いされた。そして、治療室へ。
医療機器で心臓マッサージされている母親の姿が・・・。
医師が・・・。
「心臓マッサージ停止させて頂きます、・・・11時37分死亡確認」
自分も思わず聞いた。
「御臨終ですか?」
「はい、残念です」
ついに母親は死亡してしまった。
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