阪神淡路大震災から28年目

翌日、1月17日。まだ日が明けきらない6時46分に、神戸市内では追悼が行われていた。


あの日と同じ火曜日だった。


朝はいつものように、6時半に起きて、出社した。ごく普通のいままで通りの仕事をやりとげ、夜7時に交代の申し送りを済ませ仕事は終了。7時半に帰宅した。


「あぁ!お帰り」


いつものように、母親が出迎えた。


「ちょっと今から、買い物に行って来るから、お風呂頼むわ!あと5分ぐらいで沸くから!」



そう言って母親は出掛けた。どうやら、追い焚きをしていたようだった。



今のお風呂は、全自動で、温度設定をすれば、お湯が自動でたまる仕組みが多いみたいだが、我が家のお風呂は古いタイプで、湯船に水を張って、追い焚きをしなければならないのだ。

一応、湯沸かし機能が付いていて、お湯も出せるのだが、冬場は、ぬるいお湯しか出ない。その為、追い焚きをしなければならない。


とりあえず、自分の部屋に荷物を置き、風呂場の有る隣の鉄筋の建物へ。


今住んでいる家は、父親が自営業で仕事をしている工場の一部を住居としている。

建物は3つに別れていて、鉄骨の工場の2階に自分は住んでいる。そして、両親は、木造の家屋に、そして、もうひとつの鉄筋の建物(工場)の2階に風呂場が有るのだ。


約20分くらいで、母親が帰って来て、自分の晩御飯の用意をしてくれた。


8時に晩御飯を食べて、歯を磨き、9時前に風呂に入った。ゆっくりつかりたかったのだが、後が遣えていたので約30分くらいで、風呂を出た。


「あぁ!出たのね!」



いつものように、母親が声をかけてきた。・・・その言葉が最後の言葉になるとは思わなかった。


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