第32話 商業エリアでの乱闘

 ミナキをパーティーに入れて俺たちは商業エリアに向かうと以前のように活気が溢れていたような感じでなく完全に統治されているような雰囲気だった。


「これは、どういうことだ?店がどこも開いてないじゃないか」


 そう。コープスの言う通り商業エリアは商売はしてなく店の店主達はただ座っているだけのような感じだった。


「当たり前だろ。この商業エリアは俺らのボスが支配した。以前のように勝手な商売はさせないさ。声を張って商売したいなら売り上げの99%はもらわないとな」


 商業エリアの入り口に立つ俺たちの前に黒いオーラを纏った上下に白の胴着をきた男が現れた。


「ボスはお前たちをずっと待っていた。お前たちがくるまではこのエリアでの商売は商人どもに許していたがお前らがきた時点で商売したやつは一家もろともぶち殺すと脅したら商人どもはすぐさま売るのをやめたぜ。俺たちは優しいからお前たちがくるのを見かけたら商人どもには店じまいしろといってあるんだよ。くっくく」

「君は誰かな?見るからに弱そうだけど」


 コープスは胴着を着た男を煽ると男は


「俺はナイデ・クロブ。アークル会の一員だよ。今は会長がいないからよ。代わりのやつがボスをしてるんだが現会長より自由にさせてくれるからさ。今は実に気分がいいんだよ」


 ナイデと名乗った男は言うが俺はコープスに近づき


「コープス。あの黒いオーラって」

「はい。お察しかもしれませんがおそらく黒魔玉が関わっています」


 やっぱりか。あの黒いオーラは多分黒魔玉の力をかりた何かだと予測はしたがやっぱりそうなのか。まさか今回もあの黒魔玉ってやつが関わっているなんてな。


「それじゃ好きにやらせてもらうぜ!天才と呼ばれた冒険者コープス!てめえが天才と呼ばれる日は今日で終わりだ!ファイアボール!」


 ナイデは火魔法、ファイアボールをコープスに放つがコープスは背中の剣を抜いてナイデのファイアボールを切り裂く。


「な、」

「この程度で私を倒すだなんてよく言えましたね。ちゃんとしたファイアボールを見せてあげますよ」


 コープスが今度はナイデに向けてファイアボールを放つ。コープスのファイアボールはナイデのファイアボールより、大きな玉で火力の違いは明らかだった。ナイデは避けようとしたがコープスのファイアボールは大きく、避けても服に火が引火し、ナイデは地面を転げまわる。


「あ、熱い!熱い!」

「ではもう楽にしてあげます」


 コープスは地面に転がるナイデに剣を突き立てたが黒いオーラによりコープスの剣は掴まれへし折られた。

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