第5話 冒険者ギルド

「ところであんたこれからどこか行くところはあるのかい?」

「いや、すいません。いくあてもないんですけど」

「ならちょうどによかった。あんたを仕事のある場所にまで連れて行ってあげる。ついてきな!」


 俺はマリダさんについていきマリダさんの宿をでてマリダさんが案内した場所は大きな酒場のような建物だった。中央都市の店の中でどこよりもでかい店だ。でかく店の看板に冒険者ギルドと書いてある。


「ここで稼いだらどうだい?」

「え、酒場で働いたらいいんですか?」

「あははは。違うわよ。冒険者になりなってことだよ。1番金でいえば安定しているからね。命という点では保証はないけどね。どうする?」


 冒険者か。確かに自分で稼げるし何より一人で行動できるのがいい。誰かを手伝って裏切られるのはもうごめんだからな。よし決めた。


「ありがとうマリダさん。俺冒険者になるよ」

「そうかいそうかい!そりゃよかった!うちの宿はいくらでも使ってくれていいからね!もちろん今度はお代はちゃんともらうよ!」


 マリダさんは笑いながら俺にいう。この人も商売がうまいな。俺はマリダさんとは冒険者ギルドの入り口で別れた後冒険者ギルドに入るとそこは新鮮な場所だった。俺は王族という名目上であまり冒険者のことは気にしていなかった。言い訳だけどな。正直2人の弟のうち片方と比べられそういうものは避けてきた。だから冒険者ギルドに入ったのもはじめてだ。見た目は荒くれものだったり身体中が傷だらけの人、のんだくれて地面に寝転がっている人。ほぼただの酒場に近いんじゃないかと思うくらいだらしなかった。ここが中央都市の冒険者ギルド、なのか?俺が入り口でつったっているとギルドの受付嬢のような女性が俺に近づいてきて


「あのう。失礼ですがもしかして新しく冒険者になる方でしょうか?」

「はい。冒険者登録をしにきました」

「そう、ですか。少々お待ちください一度カウンターの方にいらしてください」


 俺は受付嬢の方に言われてカウンターにまで案内してもらった後、受付嬢の方はカウンターの受付する席にまわり


「それではお名前の方をどうぞ」

「名前はカスマ・タベです」

「カスマさんですね。それでは冒険者登録をする際にまずは試験を受けてもらいます。内容はこのガイゼンをでてすぐにあるガイゼンの草原で薬草を5つほどとって来てください。試験官として、えーと空いてる方は」


 受付嬢の方は一度ギルドを見渡し、ある人を指差す。その人は体つきは細くボロボロの鎧を着て剣は大剣を一本背中に装備していた。

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