59話

 ──惺夜と千木楽が龍康殿と戦っている時。フィアナはショッピングモールまで着いた。


「……着いたわ。少しかかったけど。さてSFを発動させますか〜」


 と、特殊な小型リモコンで、SFをセットしている先生を一気に生徒を殺すように仕向けた。


 もちろん、つばきたちはまだショッピングモールについてない。


 ボタンを押すと建物内にいる装置をつけた先生たちが一瞬止まる。


 そして、血の色変えて近くにいる生徒たちの首を絞めたり、腹部を負傷させたりしている。

 首を絞められた男子生徒はもがき苦しむ。


 先生の目は正気じゃなかった。どんどん部位を圧迫する。

 それが取れそうなぐらい握り潰し、男子生徒は息を引き取る。


 瞬間、暴走している先生はそのまま首を絞めながら地面に叩きつけた。


 ショッピングモールの床が割れそうな勢いで、息を引き取った男子生徒の頭をかち割る。

 頭からヒビが割れて血が流れていく。赤い川のようにも見えた。


 他の先生はSAT一般生徒以外にもショッピングモールにいる人々にも襲う。

 カップルや孫と一緒に来た祖父母。家族連れや友達と遊びに来た高校生。

 さらには、一人で遊びに来た青年の男性にまで襲撃。


 ショッピングモール中に血の水溜りと鼓膜まで届く悲鳴の歌姫達。鼻腔には鉄イオンの香りが皮肉にも優雅に漂う。


 建物内にいる洗脳されていないSATメンバーは急いで人を助けていたが、とても間に合いそうにない。


 そこにいる伊藤飛鳥も「……これは一苦労しそうだ」と苦言くげんていする。


 フィアナにはショッピングモールの風景は見えなかったが、なんとなく察していた。


「ある程度人質は神にした……のかな? 次に一般人をSFで洗脳させてくる敵を倒してもらう作戦にしようかしらね」彼女はそう言い、中に入る。


 ショッピングモール内は映画館、リーズナブルなブティック店、ご当地限定商品展、玩具屋、電化製品店、ファーストフード店等ある。SAT学園以外の学生にも訪れる。


 ショッピングモールの電灯が明るいのにも関わらず空気が罪のない一般人の悲鳴と子供たちの叫びが耳の中で響き合う。


 フィアナの目の前にはさっきまで家族と楽しく会話してたであろう女の子が、首を切られて、出血しながら倒れていた。家族と離れ離れになったと考える。


(ツーンとする血生臭いさが鼻腔にも伝わるわね)


 銀髪の女性は瀕死になっている女の子を痛ましい症状しながら通り過ぎる。


「ある程度は、人質を天に返したから、次はここにいる学生兵隊達をSFで洗脳させようかしらね〜」


 ドレス姿の女性はそう感じ取る。辺り一面見渡すと血に塗られて倒れている人々やまだ生きている顧客達を襲っているSF。


「さてさて、この辺で止めましょうかね。まだつばきちゃん達を襲う体力も温存したいから」とフィアナは洗脳装置を止める。


 不自然にショッピングカートを持った女性に目を映る。不思議そうにそっちに向かうフィアナ。

「おい! そこの人止まれ。出ないと撃つぞ」

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