8話
SAT学園は珍しく七年制度。四年目から大学の授業も含まれ、実技も高度なテクニックを要するので厳しくなる。
普通SATのトップは四年からなるのだが、
それは珍しく、SAT学園一二〇年の歴史の中では三年からはたったの数十回。二年からは数回しかないのだ。
もちろん、この学園にSAT本部は存在している。
場所は職員室の二つ隣の会議室で日夜活動している。だが防犯として普段は壁と一体化しており、本部の入り方はSAT関係者しか知らない。そこには二人の少年が話している。
「やぁ頑張っているかい?
「うるせーぞ。今、仕事中なんだ邪魔するな。ダンディ厨二病」
「ハハハ、そんなに照れるなよ。確かに僕はダンディだからレディ達に優しく接しているし、君みたいな歳になると嫉妬することぐらいあるさ。見たところ頑張っているようだねお邪魔したよ」
キザっぽく
「あぁ、お邪魔すぎてこのSATから出て行ってほしいわ、てか早く帰れ」
「そんなこと言わないでくれよ〜。僕がこの場から去れば良いだけの話だからさ〜」
「そーゆー口調とかがウゼェんだよ! 俺と同じ歳のくせして。てか女に優しくとか言っているけど、お前、女子も男からもウザがられているって評判だぞ! 後、お前に嫉妬とかしてねぇわ!」
「えー? そんなこと言っていいのかな? SATトップの
「おめえは小学生か」
無理もない凪はいつもダンディ気取りも嫌なのだが、会話は校長先生のように同じことしか喋らないのだ。
この話ばかり聞いていたら、自殺してしまうのでと言わんばかりに
すると彼はこう言いだす。
「君さ、もし身近な人が記憶をなくした場合。どう対処する?」
稀に見る真面目な顔をして
「さぁな、俺だったら殺すね」
「どうしてだ? 理由も問おう」
「ったく相変わらず上から言うねお前も、そりゃ役に立たねえからだよ。SATや俺らの記憶がなくなればそいつはただの
「なんか痛々しくない〜。その回答は〜」
「お前が言うなや。まぁ痛々しいといえばそうだけどさ」
「まぁ〜君がそうならいいんだ。僕だったら、いつも通り振る舞うかな。だって大切な瞳に哀を知ってしまったら困るから僕が愛を送るのさ」
「ケッ! 結局はお前が厨二ポエムを言いたかっただけじゃあねえかよ! 鳥肌が立つぜ」
「ノンノン、
「あっそ、時間をくってしまったが。早く帰れ。お前さ、まだやるべきことがあるだろ……?」
何故なら、次にこう言うのだからだ。
「ん〜と、そうだ〜
「わかった、わかった。早くそいつにあって未成年飲酒してこい。そして捕まれ」
(全く冗談が通じるのか、通じないのか、わからないやつだな)
(まったく……。なんか仕事が増えたみたいで腹立つな。まぁ実力は認めるが)
「やっほぉー、シン! 仕事は順調か!」
とあるギャルが現れた。
金髪のミディアム、Yシャツだけでブレザーは着ておらず。
緩んだネクタイをしており、スカートは短め。手には紙パックのレモンティーを持っている。
名前は『
SAT二年生で
何故か知らないけど
「
「んーとね、報告報告! 報告しにきたの!」
「無視するなよ。んまぁ、報告かぁ。なんだ言ってみろ」
「んーとね、さっき四葉のクローバー見つけた!」
「そうか、それはよかったな。んで、報告は?」
「それが報告だよ。シン」
「んだと思ったよ。いい加減マジの報告出せよ
「ムッカッカー! 僕は大真面目に報告したのに!!」
「それが大真面目なら苦労しないよ。まぁ他に報告あれば俺に言ってくれ、なんとか対応するよ」
「わかった!! この僕、
「通信機を忘れるなよ、携帯でも良いが」
(今日も可愛かったな
と
彼は
するとまた戸が開く。
「
「ま、まぁ良いですよ。でもその前にこの仕事終わったら、ご飯を食べに行って良いですか?」
「あぁいいぞ、押し付けてすまなかった。できる時でいいからな」
先生は本部から去り、
(めっちゃ忙しいわ、だがその代わりに学園を襲うものがいなくて良かった。お陰でこうして
(歴代のトップの人ならどう考えるんだろう)
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