7話
学校近くのドーナツ屋さんで、W・Aの
二人は看板メニューのドーナツに目をくれず、アイスコーヒーだけ頼んでいる
。
「ふむふむ、確かこの場所は学生兵隊が集まるSAT学園というものですか。噂には聞いていましたが、実際にあるとは」
「ええ、そして私は元々この学園の生徒でして学生兵隊を勤めていました。なので、どこに何があるかはある程度把握しています。困ったら私に聞いてください」
フィアナは
「いやいや、私は少し楽しみたいので、一旦知らない状態でやりたいですね」
「そうですか、一応知っておいた方が……」
「私は強いので心配しなくて大丈夫です。この学園を襲う目標は生贄を捧げること、そして【覚醒者】を探す事ですから。まぁおまけで裏切り者の子どもも処刑すればいいので」
「わかりました。他のメンバーにも場所を把握させた方がいいですか?」
「そうですね、そこは任せます。伝えても伝えてなくとも金で雇った薄い仲間ですからどちらでもいいです。私と
「そうですね、
「残念ながら、オッドアイになること。治癒能力があること。肉体強化が可能になるぐらいで、他はまだ不明です」
「そうですか……、調査不足で申し訳ありません」
「いえいえ、射守矢さんが悪いってわけじゃないですよ。元々私個人で探しているものですから」
「個人……。確か、他にも家族を奪われた女も探しているんですよね。子どもというのは」
「……ええ、あの女だけは許しません。最近わかったことですが、子どももいるみたいで……。そいつごと、開発した弾丸で始末します」
初老のボスは懐から赤い弾丸をフィアナにみせる。
「これは……」
「あの女の血縁関係を確実に始末するためだけ作られた弾です」
「……これで、裏切り者を撃つんですね」
「いやいや、違いますよ。射守矢さん。これはですね……」
彼女のために弾丸の説明をする龍康殿。
「なるほど、そういう使い道を。勘違いしてしまい申し訳ありません。」
「ははは、誰でもこれだけ見れば勘違いだってします。貴女は悪くないです」
「ですが……」
「さて、ここは私が支払いますので、射守矢さんは先に任務説明しておいてください」
「……わかりました。龍康殿様ありがとうございます」
と言い、ドーナツ屋さんから出る。
(私の恩人なのに失礼なことを言ってしまった。反省しなければ……)
フィアナは申し訳なさそうにテロリストのボスについて考える。
(気持ちを切り替えないとね……)
彼女は頬に手で叩く。
(よ~し! 久しぶりに母校へ戻れるわ 楽しみー。トップは誰になっているかなぁ?)
フィアナはニコニコしながら思いふけていた。気持ちが切り替わったようだ。
(あの先生は今でもいるかな、強い人いるかな、かっこよさそうな男子いるかな、可愛い女の子いるかなー。まぁどっちみち全員殺すか利用するつもりだけどね)
フィアナのドレスから短刀をだす。
(よろしくね、私の今の相棒)
短刀にキスをする。そして太ももには拳銃が二つホルスターにしまっている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます