6話
「んあぁー? みんな何してるのー」
その声の主は『
惺夜達の一個上の先輩である。
目がくりくりとしていてショートヘアの少女。
いつもおっとりとしている。上は藍色ブレザーに下は仄かに赤いスカート。
ちなみにつばきも同じスカートを履いている。
「伊藤先輩! こんにちは!」
「伊藤先輩、ヨッ!」
「伊藤さん、こんにちは。今日もおっとりとしていて可愛いですね」
「ふふ、ありがとうね
飛鳥の戦闘能力は低いけど、教えるのが上手いので後輩から慕われている。
「伊藤先輩、いま最近オープンしたドーナツ屋の話をしていたんですよ。『ルーマホル』という店の」
「ルーマホルは聞いたことあるよぉー。チェーン店だよねー。でも去年の春ぐらいに近くで別のドーナツ屋さんがオープンしていたんだけどなぁー」
つばきは
「もしかして『ドウナッツ・ナッチ』の事ですか? 最近潰れましたよ。伊藤さん」
「んあー、潰れちゃったんだー。でもしょうがないよね。そこのドーナツ、少し油っぽかったもんなー」
「伊藤さん、少しどころかギトギトでしたよ。でも好きな人は好きかなーと」
「へぇー他にもドーナツ屋あったんだ。俺、今年の三月から引っ越したばかりだからわからなくて」と話す。
「そうなんだねぇ。
「いえ、小さい頃ここに来た事あってまた戻ってきた感じっスね」
「そうかそうかー。久しぶりの町はどう?」
「うーん、覚えてないからわからんなぁ……」
「まぁそうだよねぇー。しょうがない、しょうがない」
「幼少期から引っ越しが多かったからな、まぁ家庭は楽しかったから友人いなくても良かったけど」
「なるほど、なるほどー」
「やっぱり伊藤先輩は癒し系で良いよな。話していて楽しい!」
「癒されるよな。もし付き合うんなら伊藤先輩がいいなぁ」
「まじぃ?! このタイミングで伊藤先輩に告白か? 全くロマンのかけらもないよな」
「ち、違うわ! 例えだよ、例え!」
「そうか? だって前に『伊藤先輩可愛いな』と言ってたんじゃなかっけ?」
「そ、それは……」
「ほら顔真っ赤! 絶対伊藤先輩すきだろ?」
「やめろよそんな大きな声で!」
「んぁーそうかぁ。ボクのこと好きなんだねー、ありがとう
「違うんです! 誤解なんです! 勘違いしないでください! 俺……間違えた私はあなたの事は尊敬する意味で好きなんです。LoveじゃなくてLikeです」
「そう言う反応する
その時つばきはあることに気づく。
「そう言えばこの食堂に
「
「そうなんですね。昨日食堂にいたのでどうしてかなと。やっぱり基本的には忙しいんですね」
「んまぁー。昨日はたまたま仕事が少なかったんじゃないー?」
「そうかもしれませんね。そろそろ混んできたので食堂からでますか?」
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