She was Surt, and she was unstoppable.

第1話

スルトは大食堂に足を踏み入れた。一歩一歩進むごとに、大きな剣の切っ先が大理石の床にこすれて音を立てる。

彼女は部屋を見渡した。銀食器や高級陶磁器が並べられた長いテーブル、クリスタルのゴブレット、きらびやかな燭台に目を見張った。悪くはないと口の端に笑みを浮かべた。

彼女はテーブルに近づき、席に着くと、剣を床に放り投げた。大きな音が鳴り、食器はガチャガチャと音を立て、他の客は腰を浮かしかけた。

使用人が彼女にワインを注ごうと突進してきた。しかし、スルトは手首を振ってそれを制した。「アイスクリームを持ってきなさい」と彼女は命じた。彼女の声はホールにこだました。

使用人は、話す前に部屋の周りに神経質な視線を投げかけて、躊躇した。「ご婦人、申し訳ありませんが、当店はいかなるアイスクリームも置いておりません。フルーツシャーベットをお持ちしましょうか？」

スルトは眉をひそめた。その目は怒りで燃え上がっていた。「いやだ」と彼女は吐き捨てた。「私はアイスクリームが欲しい。今すぐ持ってきて」

使用人は、彼女の命令に従うために急いで立ち去った。スルトは椅子にもたれかかり、腕を胸の上で組んで待った。彼女は自分が欲しいものを手に入れることに慣れていた。どんな要求でさえ、かつて拒絶させたことはない。

やがて、使用人がアイスクリームの入ったガラスの小皿を持って戻ってくると、スルトはにっこり笑って彼からそれを受け取った。彼女はスプーンですくって口に入れ、冷たくてクリーミーな味を堪能した。

このアイスクリームが、彼女を満足させ、心から満足させる唯一のものだった。

食べながら、彼女は再び部屋を見回し、他の食事をしている人たちに目をやった。みんな平凡で、印象に残らない。彼らには、スルトのような火も、情熱も、いささか彼女自身も持てあますあまりに尊大な態度ももっていない。まさに普通だ。

だが彼らは自分自身についての記憶をもっている。それはスルトにはないものだった。

スルトはいつも自信過剰だったが、記憶喪失になった今、特にそうだった。自分が誰なのか、どこから来たのか、どうやって巨大な剣を手に入れたのか、彼女は思い出せなかった。彼女が知っていたのは、自分が強いということ。だが、それだけでも十分だった。

アイスクリームを食べ終えると、彼女は窓の外に広がる都市をちらりと見た。彼女はこの街を征服し、自分のものにしようと決心した。誰がボスなのか、みんなに教えてあげよう。

使用人は再び彼女に近づいた。手に食べ物の乗ったトレイを持っていた。「お食事です、奥様」彼はそう言って、彼女に皿を差し出した。

スルトはそれを軽蔑的な笑みを浮かべて受け取り、フォークで料理を口に運んだ。想像を絶する味気なさだった。女王にふさわしい料理を作れる新しいシェフを探さなければならないと思った。少なくともこんなものでは満足できない。

彼女は黙って食事をした。頭の中は権力と支配のことでいっぱいだった。彼女は自分の能力を世界に示し、この国で最も強力な人物になるまで休むつもりはなかった。

もしかしたら、その過程で自分が誰なのか、どこから来たのか思い出すかもしれない。

スルトは食事を終えると、テーブルから離れ、剣を手にした。彼女は次の目標に向かい、ホールから歩き出した。彼女はスルト、誰も彼女を止められない。