【S&F配信】神天皇の御曹司が戦地へと参戦!!!【Vtuber/ゲーム配信】
黒いスーツを纏った美女が配信の準備を始める。画面上には金色の髪を後ろに流した目つきの鋭い青年の姿が映されている。
「王也様、配信の準備が出来ました」
「ありがとう鈴音。では、始めようか。すでにゲームの準備は整えてあるな?」
「ええ、ご随意に」
「ごきげんよう諸君!! 神天皇グループ広報担当兼CSAA代表取締役兼常勝無敗兵Vtuberのレウスだ」
バベル:レウス様来た~!!
レモネード:声の圧がすごいwww
Winter将軍:とうとうレウス様もS&Fか~
「本日は、超大人気ゲームS&Fを遊んでいこうと思う。我がグループ会社でもFPSゲームは販売しているが、成果がいまいちだからな。とりあえず、視察がてら遊んでいくぞ」
「……お坊ちゃまがただ遊びたいだけですよね」
「セバスチャン!! 余計な茶々を入れてくるな……。あと、お坊ちゃまと呼ぶな!!」
ジントニック:相変わらずイチャイチャしてて草
バベル:セバスチャンさん、ちわーっす
黒札:今日はメイド服~?
「おいお前ら、俺の配信を見に来たのであろう? セバスチャンを構うな!!」
「まぁ、いい。事前に遊んだ感じでは、さほど難しくも無かったし、面白かったからな。練習ではカジュアルマッチしか遊んでなかったので、ランクという方に行ってみるぞ!!」
オリゴ糖:ランクマいいっすね~!!
ステップステップ:レウス様ならアマチュア、速攻で終わるでしょ
アラゴー:これでめちゃくちゃ沼ったらおもろいwww
「マッチ中に2キルして5回勝てば、次のランクに上がれるんだろう?」
「獲得できるポイントから逆算すれば、そうなりますね」
「お坊ちゃまなら楽勝かと。先ほどまでの戦績を見る限りでは……」
「なんだか含みのある言い方だな……?」
レモネード:ランクは敵強いからね~
Winter将軍:いうてもアマチュアだし、余裕じゃね?
「では、マッチ開始だな。このステージの定石だと、左ルート進んで確実にショットガンを手に入れるのが安全策らしいな。少なくともアマチュアなら……」
【KEN_PAにピストルで殺された】
「あ!? 読まれていたのか?」
ステップステップ:まぐれ? メタ貼られてた?」
「さっき殺されたし、もう一度左に行くのはイヤなんだが……」
「右に行っても、確実に強い武器が得られる確証がない以上、道を覚えている左の方が安全か?」
【tomatosanにショットガンで殺された】
レモネード:ああ、出遅れたか~
オリゴ糖:うわ~、どんまいどんまい
ステップステップ:敵、サブ垢説あるな~。キッモいわ~
「ああ、くっそ、ストレート負けか。なかなか難しい」
「やはりランクは難しいのでしょうか?」
「そうだろうな。だが、ここで諦めては神天皇の名折れ。必ず勝つぞ」
「さすがでございます、お坊ちゃま」
「だから、お坊ちゃまって呼ぶな!!」
【spiralにアサルトライフルで殺された】
「思いきりエイムがズレた~!!」
「すみません、私が声を掛けたせいですね」
ステップステップ:このマッチも、ストレート負けか~
アラゴー:やっぱ、ランクの敵強いね
サルモネラ:レウス様、才能無いんじゃねwww
「今のコメントはこちらで削除しておきますか?」
「この程度のコメント予測範囲内だ。気にするな……」
背後にノートパソコンを開いて待機していたセバスチャン――
少し神経質すぎる彼女をあしらうと、画面へと向きなおる。
配信に映っているレウスのアバターには焦りの表情が色濃く映っており、この時ばかりは高性能のフェイストラッキング技術と高価なカメラが憎らしかった。
「話しながらというのが難しいのか?」
「しかしレウス様、皆さん、レウス様の声を心待ちにしているのでは?」
レモネード:その通り~
バベル:お坊ちゃまの焦り声、ちょっとかわいくて草
黒札:何気にイケボなんよな
「次こそ……。お、ダメージ与えたぞ!! 逃がさない……!!」
【BERRYchanにグレネードで殺された】
「ぐぬぬ、自殺だと!? なんて悪趣味な」
アラゴー:めちゃくちゃはっきり『ぐぬぬ』って言った!?」
ジントニック:後ろで、セバスチャンがハラハラしてる声聞こえるwww
「……し、失礼しました。レウス様、大丈夫でしょうか?」
「その程度の些事、気にするな!! やはり、もう少しカジュアルで練習するべきなのだろうか?」
バベル:一戦だけカジュアル行くのはアリだと思う
レモネード:気分転換してもろて
ステップステップ:エイムは悪くないと思うんだけどな~
「……レウス様、質問コメントが来ております」
「お、見逃してしまったな。すまない!! ちょっと読み上げてくれないか?」
「黒札様からですね。配信者を始めるに至って、参考にした人とかいる? とのことです」
「参考というわけではないが、自分の方向性を考える時に、声の良さを活かそうと思ったきっかけになった配信者はいるぞ」
「イケボ配信者で、相応の実績を積んでいる者は案外少ないからな。とくに完全に無名の一般人から声の良さや話の面白さだけで登ってきたのはごく少数だ」
「YouTubeの利用者層から鑑みると、ある程度は仕方ないかと……」
「そうだろうな。その中でも『マコトchannel』は登録者5万人を超えていて、記念配信でのスパチャの金額も相当だったからな。さらにゲームも上手いとなると、尊敬せざるを得ない」
バベル:誰?
レモネード:あー、ちらっと見たことあるような?
黒札:声カッコイイの? ちょっと見てこよ
ステップステップ:めっちゃ覚えのある名前出てて草
ステップステップ:レウス様もマコくんのファンなの?
「声音の方向性は違うが、イケボ売りという意味では同じだからな」
「そうですね。女性の私としても、マコト様の声はかっこいいと思います。まぁ、私はレウス様の声が一番だと思っていますが」
「恥ずかしいからやめろ!! ……セバスチャンも顔真っ赤じゃないか!!」
ジントニック:ハイハイ、レウセバてえてえ
ステップステップ:これが楽しみで配信来てるみたいなところある
オリゴ糖:両方可愛いかよwww
バベル:ああ~心が浄化されますね~
GODOG:一生やっててほしい
サルモネラ:マコトってやつとコラボしたら?
ステップステップ:マコくんとコラボ希望!! 多分、向こうから誘ってくることは一生無いと思う!!
「コラボの打診はしているが、返事待ちだ。……決まったら、必ず告知しよう」
「企画もすでに考えていますからね。マコト様のお返事次第ではありますが」
「……さてと、こう話している間もずっと負けっぱなしだったわけだし、今日はここまでにしておこう!!」
バベル:サラッとデス数ヤバいことになってる
レモネード:ずっと死んでるからバグかと思ったwww
「これにて配信を終了とする。この配信は『あなたのための神天皇グループ』の提供でお送りした!!」
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