【リベンジ配信】ソルジャー&ファイトで早押しクイズ!?【マコトchannel/レナチャンネル/桃涼らん/Voidogames】
企画の内容を4人に伝えて、それぞれが細部を調整する。私がぽっと考えた程度の企画では、まだ穴だらけのようで、配信の流れやそれぞれのパーソナリティに合わせて突き詰めていく。その中でもオタクさんの活躍はめざましかった。
元は私が考えてきた企画だというのに、私以上に理解を深めていて、その全てが私たちの個性を活かす方へと仕向けられて変わっていく。どうすれば配信が盛り上がるのか、全てを知り尽くしているかのようだった。
私の付け焼き刃じゃ、遠く及ばない。正しく憧れだ。
『……とまぁ、概要はこんな感じで。サポートの部分は全部俺がやるので、なるべく自然な形でもろもろを誘導してもらえれば』
『オタクさんすごいですね~!! すっごくやりやすいです』
らんさんが可愛らしく感心したような声で褒める。らんさんのガチファンを名乗っていたオタクは満更でもなさそうな声音で照れていたが、レナさんがマイク越しにでもわかるほど不機嫌な様子で舌打ちをしていた。
まるでほのかを見ているようだ。……そして気づけオタク!! デレデレすんな。死ぬぞ?
各自で配信の準備を整えたり、スケジュールを調整したり、視聴者に告知を流したりと、打ち合わせから数日が経った。迎える2度目のコラボ配信当日。私は緊張の面持ちでほのかと共にリビングに居た。
「ほのか。見ててね。マコトが頑張るところ!!」
「うん、ちゃんと見てるよ。真琴が頑張るところ!!」
私よりも少し背の低い彼女が背伸びをして、私の頬にキスをする。
熱烈なハグをして私は配信部屋へと戻った。
――私は、これだけで頑張れる。命を懸けられる!!
『それじゃ、配信を始めます。挨拶の順番、忘れてないですね? レナ、間違えるなよ?』
『心配しすぎだって!! 全部、任せて!!』
『おう、頼んだぞ』
オタクさんが蚊の鳴くような声で合図を出す。それに合わせてレナが元気よく声を張り上げた。
『こんちゃ!! レナチャンネルのレナです。今日はYouTubeでのコラボ配信2回目ってことで、前に遊んでくれた友達を改めて紹介します』
豚の餌:ギャル、キタコレ
ビスケット:レナちゃんかわい~!!
マコくん最強卍:コラボ配信とか、大丈夫なの?
『皆~、久しぶり~。フルーツ大好き、暑いのは苦手なVtuber、桃涼らんです。この前はとっても楽しかったから、また誘ってもらえてうれしいよ~!!』
超高層ビル:マジで2回目来た!! 嬉しすぎ~
スレイマンの星:らんちゃん、チャンネル登録したよ~!!
『どうも~。前回、ギャルをボコボコに負かした大人げないプロゲーマーのヴォイドでーす。今日も手加減しないけど、燃やさないでね~』
ステップステップ:夏の大会出るんですよね!? めっちゃ応援してます
日本橋スキンヘッド:大会のゲーム配信、オンラインチケットすら買えんかった……
『さてさて、最後に登場するのは~?』
荒れ狂うように流れるコメント。3人がおぜん立てしてくれた舞台。2回目ということもあって、視聴者の目も厳しいだろう。ちらほらと、私を心配するコメントも見える。
怖い。不安だ。緊張する。また、上ずった声を出して気持ち悪いと言われてしまう。
そんな暗い感情を、全部吹き飛ばしてくれるように、ほのかの満開な笑顔が脳裏によぎった。
――ありがとう。と心の中で伝えて口を開く。
「こんばんわ。マコトです。今日も見に来てくれる皆が大好きだよ」
「前の配信ではダサいところ見せちゃったから、今日の配信で挽回して、皆の心を射止めていきたいなって思ってます。よろしくね」
カルボナーラ:声、えdd……!!
スレイマンの星:イケボ係数300オーバー。執行対象です。
豚の餌:かっこよ!?!?!?
ステップステップ:シンプルに~キュンッですッ!!
『……えー、ちょっと持っていきすぎな気もするけど、今日はマコトくんの声を聴いて癒されようっていう配信じゃないので、それはまた今度ね』
『そのうちやるつもりなんだね……』
『ヴォイドさん、今日の企画の説明お願いしまっす!!』
ステップステップ:流したwww
カルボナーラ:ギャル、ガンスルーじゃんwww
豚の餌:ツッコミおもろ
『ハイ。えぇ、今日の企画はマコトくんの持ち込み!! ソルファイ早撃ちクイズ対決~!!』
ステップステップ:微妙にタイトルダサくねwww
『ちなみに、マコトくんが考えてきたタイトルは、撃ったら答えられる!? リアルエイムクイズバラエティ~ヒントは遠距離と共に~だったよ』
ステップステップ:やっぱプロゲーマーのセンスって違いますね
豚の餌:めちゃくちゃだせぇwww
ビスケット:ちょっとオシャレにしようとしてるのが余計に腹立つwww
「一応、第2候補として、ソルファイ私は誰でShowクイズ~エイムで答えを導け~って言うのもあったよ。そっちの方が良かったかな?」
カルボナーラ:その~~の中身は絶対必要なん!?
スレイマンの星:~~に並々ならぬこだわりが見える
「……並々ならぬこだわり?
『マコトくん。話が進まないから黙ってようか』
『イケボを黙らせるなんて、世界のソウシツ? だよ!!」
『……損失のことかな?』
スレイマンの星:ギャルはやっぱりギャルだったwww
超高層ビル:らんちゃんのフワフワツッコミ可愛い~
『ええと、ゲーム内容の詳しい説明に入りたいんだけど、いいかな? いいよね』
『4人のうち俺以外の3人がクイズを作ってきました。当然、クイズを作った本人は答えを知っています。クイズの内容は、自分に関することだったり、ただの雑学ネタだったりと様々ですが、大抵は俺が答えられないような問題です』
『クイズが出題されると、4つの動く的が設定されます。一番近くの的を撃った時は、ノーヒントで問題に答えてもらいます。逆に1番遠くの的を撃てば、答えも同然のヒントが与えられます。そのヒントを踏まえてクイズに答えてポイントをゲットしていき、最終的に一番ポイントが多い人が優勝です』
「答える順番は、出題者が1番最期。その前がヴォイドさん、1番目の回答者と2番目の回答者はポイントの少ない方が1番目になります。なお、的を外した場合は回答権なしで次の人に行きます」
『マコトくんが1問例題を作ってきたので、やってみましょうか』
「じゃあ、問題出しますね。僕の誕生日はいつでしょう? あ、クイズ出題中はコメント見れないから、そこのところはよろしくね」
『今回答える1番目は私ね!!』
『まずは的に当てないと、答えられないけどね』
『マコくんって冬生まれっぽいよね。私、あんまりゲームやってないから、1番近い的でも無理な気がするけど……。えいや!!』
『はずれだね。次は私か~。せっかくだし、1番遠いところ狙ってみようかな』
『あ、外れた。全然違う方飛んでいっちゃった』
『まぁ、配信の盛り上がり考えたら、狙うは1番遠くだよね!!』
YT_VoidGames BINGO!!
「うわ、ぶち当てた!! かっこよ……」
『ちなみにヒントは?』
「ヒントは内臓の日です」
『いや、分かんねぇよ!! 初めて聞いた、内臓の日!? 物騒だな……』
「……海の日の4日前でもあります」
『今年の海の日っていつだ!? ……たしか7月の月曜日なんだよな』
『あ、私分かった』
『私もわかりました!!』
『17か24だったと思うんだよなぁ……。内臓……? 4日前だから……』
『分かった!! 7月13日だ!! え、7月13日って内臓の日なの!?』
「僕も初めて知りました。あ、ちなみに7月13日、誕生日特別配信やるから、皆見に来てね~」
『ちゃっかり宣伝すんな!! ……とまぁ、こんな感じでクイズやっていきます』
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