【立ち直りゲーム配信】本気でイケボ配信者になってみた!!【イケボ/マコトchannel】
もう少し本気で配信に向き合おうと決めた翌日。ほのかと相談したり自分で考えた改善点を胸にゲーム配信を始める。
「こんばんわ。マコトです。今日も見に来てくれる皆が大好きだよ」
改善点その1。私の最大のコンプレックスであり一番の長所である声を活かす。
大嫌いなボソボソとした話し方や恨み言を吐いているかのような低い声。しかし、視聴者はそれをイケボだと持て囃してくれる。なにより、ほのかも私の声を好きだと言ってくれる。声以外に私を見てもらう術がない以上、恥じらいを捨てて前面に出すしかない。
「今日もソルファイやっていきます。最後まで見てくれると嬉しいな」
ビスケット:今日、いつもよりイケボじゃね?
スレイマンの星:昨日は落ち込んでたのに、復活した?
カルボナーラ:え、やば。イケボ過ぎ……。
「早速だけど、ランク戦やっていきまーす。もう少し上めざしたいしね」
ステップステップ:今日はカジュアルでエイム練習しないの?
「カジュアル? 今日は行かないよ。実は、配信始める前から少しゲームやってたからね」
スレイマンの星:めっちゃやる気だ!!
耕:コラボ配信のこと、あんまり気にしてない感じ……?
「あー、コラボ配信ね~。ちょっとダメなところ見せちゃったよね。今日は、少し頑張っていくから、ちゃんと見ててね」
豚の餌:え、なんか今日、いつもよりグイグイ来るね
「こういう僕は嫌い?」
スレイマンの星:は、かっこよ……
豚の餌:好き~!!!!
ビスケット:マジ、声が良すぎ。それはズルいって
【カルボナーラさんが1500円スパチャしました】
カルボナーラ:今の感じで愛してるください
「カルボナーラさん、スパチャありがとう。この試合、もう少しで勝てそうだから、一瞬待ってね」
YOUWIN!!
「君のおかげで勝てたよ。ありがとう、愛してる」
カルボナーラ:やっば。ヤバいしかコメント打てないって!!
豚の餌:破壊力たっか~
ステップステップ:サラッとトリックショット決めてて草なんだがwww
ビスケット:わからんけどカッコよ
マコくん最強卍:急にキャラチェン? 普通にちゅきなんだけど
どうやら視聴者には好評のようだ。信じがたいけれど、……いや、弱音を吐くのはよそう。
自分を信じろ。私を好きだと言ってくれるほのかを信じろ。
私は、私が思うよりダメじゃない。ほのかが、そう言ってくれたから。保険はかけない。話したいことを、伝えたいことを、相手がほのかだと思って。私の精一杯を。
配信者として、全力で話せ!!
「そういえば、話変わるけど、この前のコラボのメンバー、全員バラバラすぎて笑えたよね」
「イケボとカワボはギリ分かる組み合わせだけどさ、そこにギャルとプロゲーマー入れるの謎過ぎない?」
スレイマンの星:それは思った
超高層ビル:考えてみれば、不思議な組み合わせやん
「ユーチューバーだけを集めたデスゲームでも、もう少し界隈絞って選ぶよね」
ビスケット:ユーチューバーだけ集めたデスゲームって何www
カルボナーラ:めっちゃつまんないなろうの小説かよ
「でも、ひきこもりをデスゲームに参加させるの難易度高くない? 外で誘拐できるなら少しは楽なのに、ユーチューバーは外出ないからさ」
ステップステップ:外出るユーチューバーも居るだろwww
耕:それ、陰キャのマコくんだけの話でしょ笑
「もし僕がデスゲームのキャラだったら、終盤で裏切るタイプだよね~」
ビスケット:そんなおいしい役貰えるわけなくない?www
豚の餌:序盤で運営に歯向かって死ぬ役でしょ
「いや、陰キャは歯向かうとかできないから。まず、デスゲームに参加させてもらえないって」
カルボナーラ:なんでドヤ顔……!?
マックのポテト:今来た~。めっちゃ盛り上がってて草
「マックのポテトさん、いらっしゃ~い。今、デスゲームの話してま~す」
マックのポテト:いや、ソルファイのゲーム配信じゃないのwww
ステップステップ:少しはS&Fの話しようよ笑
「ゲームの話? いいよ~。ええ、こちらマコト。敵1名を確認しました、どうぞ~」
ステップステップ:今の偏差撃ち、頭抜けるんだ!? 喋りながらだったのに
カルボナーラ:ナイスキル!!
「このゲーム2VS2だから、1人倒した後、気使って味方がもう1人倒すまで待つときあるよね?」
ステップステップ:……絶妙にちょっとわかる
ビスケット:両方倒しちゃダメなん?
「そうそう。両方倒すと復活してくるタイプのボスなんよ。そこから第2形態が始まって~」
ステップステップ:いや、めちゃくちゃ嘘教えるやん
豚の餌:今日ボケまくりwww
スレイマンの星:普通に面白いんだけど!? マコくん中身違くない!?
「実は僕、二重人格なんだよね。ジキルとハイドみたいな。うぇーい系パリピ陽キャのマコトさんが主人格なんですよ」
スレイマンの星:嘘やんwww
耕:うぇーい系パリピ陽キャは自分でうぇーい系パリピ陽キャって名乗らないからwww
「じゃあ、うぇーいじゃない系パリピ陽キャで~す」
マックのポテト:うぇーいじゃない系パリピ陽キャって何!?
カルボナーラ:調子乗ってるねwww。さっきよりボケが雑www
「うぇーいじゃない系ヒッキー陰キャっす……」
豚の餌:え、急にイケボ出すやん
スレイマンの星:一生、この声になってくれ
ステップステップ:ばちこりスナイプ決めていくぅ~!!
ビスケット:……それ、いつものマコくんじゃね!?
「いやぁ、めっちゃ喋ったわ~。結構、ランクも上がったし、今日はここまでにしようかな」
ステップステップ:ほぼずっとふざけて喋ってただけなのに、ランク2つも上がってる!?
カルボナーラ:今日のマコくん、めっちゃおもろかったね
「配信見に来てくれてありがと~!! 明日、動画出すから見てね。今夜、君と夢で会えますように」
「SeeYouAgain」
豚の餌:え、最後にめっちゃイケボ出すやん
カルボナーラ:これ無料ってマ!?
マコくん最強卍:カッコよかったよ~!!!!!!
配信終了のボタンを押して、暗い画面に引きつった笑みの自分の顔が反射する。先ほどまで、あんなに楽し気に話していたとは思えない程、目元が強張っていて青白い顔をしていた。
「……コメント数、結構多かったな。視聴者の反応も良かったし」
配信の同時接続数もいつもより多かったし、配信が終わったばかりだというのに、チャンネル登録者の伸び方もすごい。たった一つの配信で100人以上も増えている。数字だけで見れば低い気もするが、普段の配信では1人か2人増える程度だったことを考えると飛躍的だろう。
「それもこれも、全部、ほのかのおかげだよ」
「全部私ってことはないんじゃない? マコトの地力が無いとダメなわけだし」
配信中、私の隣で息を殺していたほのかが、にへら、と太陽のような笑顔を浮かべる。
ほのかのアドバイスの通り、積極的にイケボをアピールしていく。特に配信始まりの挨拶と終わりの挨拶で印象付けた方がいいと言われたので、改めて気取った挨拶を考えてみたのだ。
「マコトの声とカッコつけな性格は合ってるから、私以外にはそれを発揮できないって言う弱点さえ克服しちゃえば、絶対人気になれるよ」
「それが致命的でクリティカルな弱点では……!?」
「いや、意味一緒じゃん。あと、ソレ!! その突っ込みたくなるボケもマコトの強みだと思う。私と話すときみたいに素の感じでしゃべれば、絶対面白くなれるよ」
ほのかのアドバイスを一身に受けて、私はコラボ配信のリベンジを胸に誓った。
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感想に「ほのかちゃん可愛い」とコメントくれた方には、ほのかちゃんからお礼の言葉があります。
先着順です。(マコトくんカッコイイでも可)
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