(バレンタイン短編小説)「雪の降る日に…」

(人間不信の陰キャが、学校一の美人に溺愛されています。特別編)



はじめに

このストーリーはIfの世界線であり、本編とは全く関係ありません。あらかじめご了承ください。








私は涼宮結衣。高校2年生。

今日は2/14、土曜日。バレンタインだ。

そして、私の誕生日でもある。

現在時刻朝8:12分。休日にしては少し早く起きた。

「結衣、今起きてる?」そうメッセージをくれたのは、半年前に付き合い始めた男の子・新堂悠真。

(ちなみに悠真は、私の誕生日を知らない)

「悠真、どうしたの?」

「今日、空いてる?」

「空いてるよ」

「なら、ちょっと行きたいところがあるんだけどいい?」

「どこに行くの?」

「ショッピングモールと、いつものカフェ」

「いいね。行こう」

「じゃあ、11時にショッピングモールのB入り口集合で」

「了解~」

メッセージを打ち終わると、私は出かける準備を始めた。ちょっと早いけど、楽しみすぎて仕方ない。

「お母さん!11時くらいに悠真と出かけてくる!」

「わかったわ。遅くならないうちに帰ってきてね」

「うん!」

そして、10時半。

「…早っ!」

「いや、私より早く来た悠真が言うことじゃないって」

「おっ、結衣も突っ込みにキレが出てきたな」

「誰のせいだと思ってるの」私は一瞬怖い顔をして、それからはにかんだ笑いを見せた。

「はいはい、ごめんって」悠真も笑う。

悠真、やっぱり変わったよね。

昔は眼鏡陰キャとか言われてたけど、私と付き合いだしてからはだいぶ変わった。

ほとんど笑うことなんてなかったけど、今じゃ私の前でよく笑ってくれる。それがすごくうれしい。

「ふふ。早く行きましょ」

「そうだね。行こう」

悠真は手を差し出す。

私はそれを握った。

「それで、今日はどの店入る?」私が尋ねる。

「チョコ、買いに来たんだ」

「へ?」

「今日、バレンタインじゃん?でも、男子はもらえるけど女子はもらえない」

「そりゃ、あげる側だからね」

「だから、僕は君にあげることにしたの。だから

、結衣がどれがいいか選んでほしくて」

「それ、サプライズ感0」

「ごめんな…方法が思いつかなくて」

「いいよ。もらえるだけでうれしいから」

「じゃ、そこにあるチョコレート専門店に入ろうか」

「悠真はそこのチョコ好きだもんね。私はあまり食べたことないけど」

「すごくおいしいよ。だから、せっかくだしあげる以外にも買っておこうよ」

「お金は大丈夫?」

「大丈夫。バイト代は貯金してるし、FXで少し収入あるから」

「そうなの?」

「まあね。生活費と遊ぶお金、別で貯金してるから」

「すごい」

「大したことじゃないよ。さ、行こ」

「うん」

2人で店の中に入る。

小さいけどレトロでおしゃれなお店。

来たことはあまりないが、私はこの雰囲気が好きだ。

「いろいろあるけど、どれがいい?」

「なんでもいいの?」

「なんでもどうぞ」

「じゃあ、これ」私は「\23800」と表記されているチョコを指さした。

「えっ…」

「これにするの…?」

「うん」

「わーったよ、これに…」

「もちろん噓よ。正直、悠真からもらえるならなんでもいい」

「そっか。じゃあ」

「これ、僕が一番気に入ってるやつ。試食あるけど、食べちゃダメだよ」

「わかった」

悠真はそれを二つ買ってきた。

「悪い、ちょっとトイレ行ってくる。これ、持ってて」

買った商品を手渡してきた。

「OK、早く戻ってきてね」

「うい」

悠真は小走りでトイレへと向かった。

今がチャンスかも。

私は悠真に渡す用のチョコを一つ買った。

「ふふ。これで渡す分もゲット」

そしてちょっとして、悠真は戻ってきた。

何故か、持っているかばんがすこしふくらんでいたけど。

「ほかに買うもの、なんかある?」

「特にないかな」

「じゃ、カフェ移動しよっか」

「そうだね」

「さ、行こう」

そしてカフェに行く途中。

「あれっ…」私は手に冷たいものが触れるのを感じた。

「雪」悠真が言う。

悠真の吐いた息が白く曇る。

「傘持ってきた?私は持ってきてない」

「僕持ってきたよ」

「でも…傘ちょっと小さいんだよね」

「相合傘?」

「ちょっと恥ずかしいけど…いっか」

「そうだね」

悠真は傘を開いた。

「はいよ。入ってどうぞ」

「ありがとう」

傘の中に入る。

距離が近い。

いや、さっきまで手をつないで歩いていた人がいうことじゃないかもだけど。

「距離…ちょっと近いね」

「そうだな…」悠真は顔を赤らめている。

「恥ずかしいの?」

「ま、まあ?手をつなぐのは慣れたんだが…はは」

「ふふっ」

「そうだ、一か所寄りたいところがあるんだけど、いい?」悠真が提案する。

「いいけど、どこに行くの?」

「黙秘権を行使します」

「普通に秘密って言いなさいよ」ちょっと厳しく言ってから微笑む。

「ホント、ツッコミのキレが出てるな」

「うるさい」

「まあいいや、行こ」

そうしていきついた先は…

「展望台…」

「ここ、覚えてるか?」

「うん」忘れるわけない。私たちが付き合った日に、初めて行った場所。

悠真の一番気に入っている場所。

「結衣」

「なあに?改まって」

「誕生日、おめでとう」

そう言って、悠真は私に新品のマフラーを渡してきた。

「えっ…私誕生日教えてないよね?」

「結衣の親しそうな人から情報もらってきた」

「そうなんだ…」

「まあ、受け取ってよ。あまりいいものじゃないけど」

白色で、もこもこしたマフラーを手に取る。

「ちなみに、買ってきたの今日なんだよね」

「もしかして…」

「そ、僕がトイレ行きたいって言ったとき」

「そうだったんだ…」

「うん」

「ねえ、悠真」

「ん?」

「一つ、お願いしていい?」

「どうぞ」

言うのは恥ずかしい。でも、勇気を振り絞って口に出した。

「キス…してほしい」

「おお、だいぶハードだな」

「いいでしょ?私の誕生日なんだもん」

「急にツンデレ属性になってるぞ」

「しょうがないでしょ…恥ずかしいんだから」

悠真は苦笑いした。

そして…

「じゃ、目をつぶって」

「うん」

私たちは唇を交わした。

ゆっくり、深く。

唇に悠真のぬくもりが伝わってくる。

「悠真…私今、すっごく幸せだよ」



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