翌日

(なんかわくわくして早く起きちゃった……)

 その日もジャンさんと話したくて仕方なくてつい早起きしてしまった。こんな時間に起きてもジャンさんはまだ起きてないだろうし、外に出て太陽を浴びよう。

 すっごく気持ちのよくてあったかい光。早朝の太陽は心を豊かにしてくれるらしいと、隣街のテレビでやっていた。

「ショウタ、もう起きたのか。今日は早起きだな」

「あ!おと……」

 その瞬間、僕はいきなり苦しくなった。嵐の中にいたときのそれとはわけが違う。左の胸のあたりが、すごい速さでドクンドクンとしてる。僕は立っていられなくなって、地面に落ちていった。意識が朦朧とし、視界も暗くなる。

「お……とう……さん……」

「———————————」

 何か言ったように聞こえた。でも、わからなかった。


 町は朝から騒がしかった。そして悲鳴であふれていた。町の中心で、真っ赤で巨大な蜘蛛が暴れている。

「……こいつは!?」

 短刀を構えたジャンさんが来た。すごく驚愕した顔だ。昨日と違ってライラを連れていない。

 ……起こそうとしても起きなかったらしい。

 きっとした顔で剣を構える。そして蜘蛛に向かって駆け出す。そして一撃。しかし蜘蛛の赤い皮に跳ね返された。

「やっぱ効かねえか、くっそこういうときに限ってあのガキ……!」

 しかしあきらめることなく連続で切る。何度も位置を変え、弱点を探しては切りつけるが跳ね返される。

 気づけば、剣はボロボロになっていた。

「一旦引いて、ライラを……!」

 ジャンさんはそこから一度退いた。


「少年がいない……!?」

「そうなんです!早く起きたらしくてどこを探してもいなくて……ああショウタ!」

「落ち着いてください!絶対見つけますから!」

「あと父もいなくて……!」

 ジャンさんはすぐ部屋に戻り、ライラを起こしに行った。でも部屋に入ると、

「襍、縺�d縺、縺ァ縺励g縲√☆縺斐¥蛹ゅ≧(赤いやつでしょ、すごく匂う)」

 ライラは既に起き上がり戦闘態勢に入っていた。

「お前ほんと早く起きて!?」

 そして二人はすぐに僕と父を探しに行った。

「くそっ!どこだ少年……!ライラ!そっちは!」

 ライラはジャンさんとは違う方向を探し回っていた。しかし僕たちは見当たらない。ライラは静かに首を横に振った。

「町もだいぶやられてる……あいつを倒すにも時間がかかるし…でも少年は…」

 ライラが家の上にとびあがり、暴れている蜘蛛の方向を見た。すると何かに気づいたようだ。

「!繧ク繝」繝ウ��(ジャン!)」

「なんだ!」

「縺ゅ�陷倩屁窶ヲ窶ヲ蛹ゅ>縺御シシ縺ヲ繧具シ∝�縺ォ陦後¥��(あの蜘蛛……匂いが似て

る!先に行く!)」

「おいライラ!……まずは蜘蛛か」

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