第22話「イビル・グラオザーム」

リオの旅の目的は

8年前に自身の住んでいた村を襲撃した

"ある男"を見つけ出して殺す事である。


その男の名は"イビル・グラオザーム"


イビルの特徴は

背丈は今のリオと同じくらいで

銀髪のショートヘアに紫色の瞳。

顔の左半分から首筋にかけては

蛇のトライバルタトゥーが刻まれている。

そして何より特徴的なのが

常軌を逸した狂人な性格と

この世の者とは思えない程の

絶大な強さである。


今は亡きリオの母"マイラ・ウルフ"。

彼女は"氣"を完全にマスターしていた上に

それに加えて"上級魔法"も修得しており

さらにはウルフ一族秘伝の奥義

"日蝕狼(エクリプスウルフ)"というものも

マスターしていた。

なのでマイラは

大陸で3本の指に入ると言われていた程の

実力者であったが

イビルはそんな彼女を多少苦戦はしたものの

正攻法で倒してしまっている。


そんなイビルであるが

村の襲撃理由に関しては

一切不明である。

何か重大な理由があったのか……。

または、ただの気まぐれか……。

いずれにしても

どんな理由であれ

リオはたくさんの愛する人々を奪った

この男を絶対に殺すと決めている。


リオは襲撃事件の後に

イビルを殺すための力をつけるため

スレイヤー養成学校に入り

そこで"氣"や本格的な剣術を学んだ。

そして学校を卒業した後は

大陸の南西の方に住む元スレイヤーの

"ヘレナ・ヴォルフ"に師事し

天狼流古武術を修得する。

さらにその後は

あちこちで戦闘を積み重ねていき

瞬く間に力をつけていった。

今やリオの強さは大陸でも10本の指に

入る程であろう。


そんなリオは今

昨夜いた森を抜け

イビルの情報を掴んだと言う

"ある女性"との待ち合わせのため

"ソル"という国の"スエルテ"という

街を目指して平原を歩いていた。


しばらく歩いていると

太陽の形をした看板が

立っているのを見つけた。

その看板にはこう記されていた。


ようこそ太陽の国"ソル"へ


ソルに着いて

リオが早速入った街は

"シュヴァイス"という所であった。

目的地の"スエルテ"までは

ここからもう少し掛かるので

とりあえず今日はここで休息を取り

明日の朝になったら出発する事に決めた

リオであった。

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