第19話「シャノン・アシュベリー」

突然現れた魔術師を名乗る女性。

身長は190cm前後。

年齢はミアより少し上くらいだろうか。

金色の瞳に、髪型は左側をやや広めに刈り上げ

そこに二本のラインを入れた

パーマのかかったアシメスタイル。

そんな彼女がミアに声をかける。


「あなた…スレイヤー?」


「え?え、ええ…そうだけど……」


「ふーん…随分若いね」


二人がそんな会話をしていると

鎖で全身を縛られているゴーレムが

魔術師の彼女の方を向き

怒鳴りだす。


「コラァ!!!ドブス!!!これ外せやぁ!!!」


それに対して彼女は

中指を突き立て、舌を出して

ゴーレムに言う。


「ムリ~ン」


「ぐっ…!!へい!!ならこっちを見ろや!!」


そう言うと

ゴーレムの目が黄色から赤色に変化する。


「あ~、幻術?ごめんごめん

私には効かないからそれ」


「何…だと…!?」


「ていうかさ~、ウゼェから死ねよ」


そう言って彼女は手をパーの状態で

ゴーレムの方へと向け

ギュッとグーにする。

すると頭に巻かれていた鎖が

ギュッとなり

ゴーレムの頭はパァンと弾けて死亡。


ドザァァァン!


地面に倒れるゴーレム。


「…すごい……」


そう感心しているミアのところに

彼女が近付いてくる。


「……結構ダメージ負ってるね」


そう言うと彼女はミアの頬に

優しく手を当てて

"チユー"という魔法を使った。


すると見る見るうちに

ミアの全身の傷が回復していく。


「ほい!完全完治!」


「あ、ありがとう……」


ミアが礼を言うと

彼女は自己紹介をする


「申し遅れますた!

私、シャノン・アシュベリー!

よろしこね!」 


「私はミア・ハーパー…よろしく…」


二人はこの後

互いの事を語り合った。

何でもミアが聞くところによると

シャノンは数年前に

魔法学校を卒業した後

トレジャーハンターとなり

まだ見ぬ宝を求めて

あちこちを旅しているらしい。

そして今日は

旅の資金集めのために

この洞窟に宝石を採りに

やって来たのだそうだ。


「……そっか~…なるほどね~…

姉の情報のためにルビーを採りにね~…」


「うん、そうなの……

そしたら、あのゴーレムに

ボコボコにされちゃって」


「まぁドンマイドンマイ

ミアは若いし

これからもっと強くなるよ」


「へへ…ありがとう

ところでさ、シャノンって

珍しいよね」


「何が~?」


「魔法学校を卒業してから

トレジャーハンターやってるって事」


「そう?」


「うん、だってさ

魔法学校を出た人達って

多くの場合が魔法研究院に就職したり

魔法学校の教師になったり…

または王国に仕えたり

するんでしょ?」


「ハハハッ、そうだねぇ~

確かに同期の連中は皆

そういうとこに就いてるね~

でも私は堅苦しいの苦手だからさ~

こうやって自由気ままに

旅してるのが一番なんだ~」


「そっか…なるほどね」


「てかさ~、もう帰らない?

私はとっくに用事済んだし

ミアも済んだでしょ?」


「うん、そだね」


「目的地はパクチーだっけ?

送ってあげるよ」


そう言うとシャノンは

ミアの手を握り

自身ごとパクチーまで

テレポートした。


ブワンッ!


パクチーに着く2人。


「すご……これって

"テレポー"だよね?

超上級魔法じゃん」


「ウフフ、天才には朝飯前!

じゃ、私他の場所に用があるから行くね

また今度会った時は

ゆっくりお茶でも飲もうね~」


そう言ってシャノンは

どこかへテレポートしてった。


「…明るい感じの良い人だったな~…

あ、そうだ、セロリさんの所に戻らなきゃ」

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