第17話「ルビー見っけ!」

「ワ~オ……!アンビリ~バボ~……!!」


ミアの目の前には煌めく宝石の数々。

その中にはお目当ての

ブラッディルビーも含まれていた。

そう、ついに辿り着いたのだ。

洞窟の奥地へと。


「へっへ~ん、早速お目当てをいただきまっせ~

ん…?ちょっと待てよ…?どれくらい持ち帰れば

いいんだろう?」


依頼人のセロリは

単に採ってきて欲しいとしか言っていなかった。


「ん~……適当でいっか!」


ミアはポーチから伸縮性のあるカバンを取り出し

そこに採ったルビーを適当に詰め込んだ。


「さてさて、お、つ、ぎ、は

私のば~ん!」


ミアは自分用に

ブルーベリーサファイアや

パプリカトパーズといった

高価な宝石を採集し始める。


「ムフフ( ^ω^ )

これ売ったら相当な額になるよね~」


それから約20分後。


「さ~てと、そろそろ帰りまっか」


採集を終えたミアは来た道を戻ろうとした。

が、その時


ズシィィィィン!!


頭上から

全身に宝石を身に付けた

体長5mはありそうな

見たこともない巨大な魔物が現れた。


「!?

な、なにコイツ!?」


困惑するミア。

すると魔物が口を開く。


「グルルル!オレハコノ洞窟ノ主

ジェムゴーレムダ!」


(ジェムゴーレム!?初めて聞いた!)


「キサマ…見タトコロ

スレイヤーノヨウダガ…

ココニ来タカラニハ生カシテ帰サンゾ!!」


そう言うと

ゴーレムは両手を組んでミアに振り落とす。


ドガァァァッン!!


ミアは瞬時に攻撃を回避する。


「な、なんて威力なの!?」

手に持っていたカバンをその辺に投げ捨て

剣を抜いて戦闘態勢に入るミア。


「マダマダイキマッセー!!

ミンチニシテヤルゼ!!」


ドガァッ!!ドゴォッ!!ドガァッ!!


ミアを狙い

ひたすら拳を振り落としていくゴーレム。

そしてそれを避け続けるミア。


(コイツ…!!図体の割に結構速い!!)


反撃しようにも隙がない。

なんとか隙を作らなければ…。

そこでミアはゴーレムの動きを封じるべく

ある魔法を使った。


「フェター!!」


先ほどダイヤモンドアサシンの

動きを封じるのに使用した魔法だ。

無数の鎖がゴーレムに巻き付く。


シュルシュルシュル!


「ンンン~!?ナニコレ!?キモイ!!」


ブチブチン!!


ものの数秒で鎖を千切るゴーレム。


「げっ!!マジ!?じゃあこれはどう!?

"アドゥヒーシブ"!!」


ミアが唱えると

ゴーレムの足が地面に粘着する。


「ファッ!?」


ドザァァァン!!


ゴーレムはうつ伏せに倒れる。


(今だ!!)


チャンスだと思ったミアは

氣を高めだした。


「ハァァァァァァァァァ~……」


山吹色のオーラが

みるみるとミアの全身を包む。


「グゥゥゥ…」


ミアが氣を高めている間

地面に倒れていたゴーレムは

反撃をしようと立ち上がろうとしていた。

そして立ち上がった次の瞬間


「Die Bitch!!(死ね、ビッチ!!)」


ザンッ!!


目の前にミアが現れ

ゴーレムの首を横から一刀両断した。


ゴロゴロゴロッ


地面に転がり落ちる首。

ミアは勝利を確信した。

しかし戦いはこれで終わりではなかった。


「コレデ勝ッタツモリカ?」


なんと首だけのゴーレムが喋りだしたのだ。


「なっ…!?ど、どうして生きてるの!?」


驚くミアにゴーレムは答える。


「オレノ頭ニハ、小サナ核ガアッテネ…

ソレヲ破壊サレナイ限リ死ナナインダ」


そう言うとゴーレムは

首無しのボディで地面に落ちた首を手に取り

つける。

そしてファイティングポーズを取り、ミアに言う。


「サァ、第2ラウンド始メッカ!」


「……めんどくせぇ(´Д` )」


気怠そうにするミアであった。

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