第14話「敏腕ガール」

コランダム洞窟の入り口へと着いたミア。

さすが死者の洞窟と言われているだけあって

入り口からは既に不穏な空気が伝わってくる。


「よし…!絶対にルビーゲットするぞい!!

それじゃ、はりきっていきまっしょい!!」


ミアはそう言って自分を鼓舞すると

洞窟の中へと足を進めて行く。


「はえ~…中はこんな感じなんだ~…」


洞窟全体を覆っている結晶の影響だろうか

中は全体的にキラキラと明るかった。


「明るいので松明いらず」


ミアは軽快な足取りで奥へと進んでいく。

そして10分程歩いたところで

魔物に遭遇した。


「早速か…」


現れのは全身を青色の鉱石の鎧で包んだ

Aランクの魔物「アズライトリザード」だった。


「ひぃ…ふぅ…三匹か…」


ミアはそう言うと瞬時に剣を抜いた。

するとそれを見るなり三匹は手から鋭い爪を出し

ミアに襲いかかる。


「…よっと!」


ミアはローリングして攻撃を躱す。


「…ふ~…思ったより速いじゃん…」


ミアの頬からタラーっと少量の血が流れる。

完全には避けきれなかったようだ。

さすが死霊の洞窟と呼ばれる場所に

生息しているだけの事はある。

外にいるAランクの魔物達とは

一味も二味も違うようだ。


「ハァッ!!」


ミアは一番手前にいたリザードの胴体に

斬り掛かる…が、硬すぎて剣が弾かれる。


「…ッ!硬いのはわかってたけど

ここまでとはね…なら…!」


ミアは遠くを指差す。


「見て!エチエチメスリザード!!」


すると三匹は後ろに振り返る。


「かかったなアホが!!!」


ミアは手前のリザードの肛門に剣を突き刺した。


「アハンケツイク!!!!」


刺されたリザードはそう断末魔の叫びをあげ

絶命した。


「やっぱりこの部分は無防備だよね~」


そう言いながら剣を肛門から引き抜くミア。

そしてそれを見ていた二匹は激昂した。

よくも仲間をやりやがったな!

絶対に許さねぇ!

そんな感じの表情でミアに襲いかかる。


「怒っちゃやーよ」


ミアはポーチから特性タバスコボールを取り出し

二匹の顔に投げつける。


「ンホォォォォォォォォ!!!」


地面に転がり悶絶する二匹。

そして、すぐさまミアは一匹の肛門に剣を突き刺す。


「アハンケツイク!!!!」


片方絶命。

するともう片方は気合いで立ち上がり

ミアにテイクダウンを仕掛ける。

しかしそれはあまりにも無謀すぎた。


ミアはリザードがテイクダウンを仕掛けると

すぐにフロントチョークの態勢に入った。


「養成学校時代に柔術マジシャンと呼ばれた私に

寝技を仕掛けるなんてアホな事この上なしだね」


そう言ってリザードの首を

思いっきり絞めるミア。

そしてものの数十秒で絶命。


「ふ~…終わった…」


ミアは戦いの後、三匹の亡骸を

寄り添い合うように

洞窟の隅っこに並べた。


「これで淋しくないでしょ」


そう言い残すと

ミアはブラッディルビーを求め

さらに洞窟の奥へと進んでいった。

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