第7話「何回会うんだよ」

チンピラを

病院へ送り届けたミアは

街で姉の情報集めを再開していた。

が、やはりめぼしい情報は

得られずにいた。


「この街ではもう無理そうかな~…よし!」


ミアは

この街での情報集めは

ここでやめにして

観光を楽しむことに決めた。


「私、実はお腹がペッコリン

ンニャピといったら

ガンギマリラーメン」


ミアはルンルン歩きで

ラーメン屋を探す。


「どっこかな~…お、あった!」


ミアは

「この辺にぃ、美味いラーメン屋の屋台、来てるらしいっすよ」と書かれた

看板の店を見つけ、店内に入った。

中に入ると50代くらいの

店主がミアを迎えた。


「へいらっしゃい!

お好きな席へどうぞ!」


店主がそう言った後

ミアは入り口近くの

カウンター席へと座り

お目当てを注文する。


「すいません、ガンギマリラーメン一つ」


「かしこまり!ガンギマリラーメンね!」


(ウフフ~どんな味なのかな~楽しみだな~)




ミアは出来上がりを待っている間

心を踊らせながら

何気な~く右隣を見た。


ぎょっ!!


ミアは驚愕した。

なんとそこには

リオが座っていて

ラーメンを食べていたのだ。

そして思わず名前を

口に出した。


「リオ…ウルフ…」


ミアが名前を呼ぶと

リオは彼女の方へと向いた。


「ん…?何だチミは?

俺のこと知ってんのか?」


「いや、知ってるも何も…

さっき会ったばっかじゃん!

ていうか、何だったら

昨日も会ってるし!」


「そうだっけ…?

あ~…そういえば…会った気が…する…

さっきと…昨日…」


リオはそう言いながら

ラーメンをすすり出す。

そんなリオにミアは質問する。


「…ねぇ、あなたってさ…イカれてるよね?

それも尋常じゃないレベルで」


「かもな~」


リオがそう答えると

ミアはさらに質問をする。


「ねぇ、聞きたいんだけどさ

どうしてさっきチンピラと喧嘩に

なったの?」


「……別に…どうだっていいだろ」


「理由はどうであれ

普通あそこまでボコる?」


「にゃ~ん(ФωФ)」


「な、なに…その返事は…」


ガラガラガラガラッ


会話の最中

若い女性が一人店内へと入ってきた。

そしてリオの方を見るや否や


「見つけた!」


そう言うと

リオのもとへと近づき

言う。


「あの!すいません!

先程は助けていただいて

ありがとうございました!」


するとリオは

怪訝そうな顔で答える。


「……よしてくれよ…

礼を言われるようなこと

してねぇっつの…」


「いえ、あなたがいなかったら

私あのまま純潔を失ってました」


二人の会話を

聞いていたミアは

何の話だと思い女性に尋ねた。


「あの~…何の話ですか?」


すると女性は答える。


「実は私、さっきチンピラ男に

路地裏に連れ込まれて

乱暴されそうになったんです」


「え!?」


「もうダメだ!助からない!

と思った時にこの方が現れて

助けてくれたんです」


(…なるほど…喧嘩の理由はそれか…)


ミアがそう思うと

ラーメンを食べ終えたリオが

スッと席から立ち上がった。


「おっちゃん、勘定!

ここに置いとくよ」


「まいどあり!また来てね!」


勘定を済ませたリオは

店を出ようとする。

すると女性が呼び止める。


「あ!待ってください!

何かお礼をさせてください!」


そう言うと

リオは振り向いて答える。


「そんなもんいらねっての

気持ちだけで十分」


そう言ってリオは

店から出ていった。


「あ!待ってください~!」


女性も後を追いかけ店を出る。


一方で

一人残されたミアは

リオのことを分析していた。


(アイツって…ただのサイコ野郎じゃないなきっと

多分…弱者に優しく、クズに厳しくなんだな

うん…きっとそうだ…)


「へいお待ち!」


店主がミアに

ラーメンを差し出す。


「わーお!待ってました!

では、いっただっきまーす!」


ズルズルズル


「ウマスギィ!!!」

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