第4話「ンニャピ」

「ふ~、やっと着いた…「ンニャピ」」


ミアはリオと別れた30分後に

目的地の街「ンニャピ」に着いた。



~ンニャピ~


人口:約5000人程。

備考:周りを木々や川に囲まれたのどかな街。

飲食業が盛んであり、珍しい食べ物屋台が立ち並ぶ。

この街のシンボルとも言える

名物のガンギマリラーメンは

濃厚な出汁が効いていて非常に絶品である。

大昔にイキスギ帝国を治めていた

皇帝ネムラス四世もガンギマリラーメンを食べに

よくこの街を訪れたという。


ミアは街に着くなり

早速武器屋を探し出した。

先程譲ってもらった魔物の素材を

売るためだ。


「えーっと…どこかな~…

あっ、あった!」


ガチャッ

カランカラン


「いらっしゃ~い」


店に入ると小太りのハゲたオッサンが

出迎えた。


「すいません、買い取りをお願いしたいんですけど」


「かしこまり!お嬢さん見たところスレイヤーかい?」


「はい、そうです」


そう答えながらミアは店のカウンターに

毛皮、爪、牙を置く。


「ほう!これはステハゲの!

お嬢さん、相当腕が立つみたいだね!」


「んーん、これは私が殺ったんじゃないんですよ」


「おや?そうなのかい?」


「ええ、森で出会った

リオっていう青年が殺ったんです」


ミアがそう言った直後

その場の空気が凍る。

そして店主が青ざめた表情で

ミアに問いかける。


「…まさか…リオって……リオ…ウルフの事かい…?首に狼のタトゥーを入れた……」


「え、ええ…そうですけど…?」


「やっぱり…!お嬢さん、奴と出会ってよく無事で済んだね!」


「え?どういうことですか?」


「お嬢さん、もしかして何も知らないのかい?

出身はどこ?」


「メラルム…ですけど」


「メラルム…大陸の端の方か…

なるほど…そりゃ知らないのも無理はないか…」


「あの…何か…そんなにヤバい人物なんですか?

リオっていうのは…」


「ヤバいなんてもんじゃないさ!

ありゃ外道!サイコパス!いや…悪魔だ!

アイツに人間の血なんて微塵も流れちゃいないさ!」


そこまで言うか。

ミアはそう思った。


「っとそうだ…すまない、買い取りだったね?」


店主は我に返ったかのような顔でミアに問いかける。


「ほいよ!受け取ってくだせえ!」


ガシャン!


大量の金貨が詰まった袋がカウンターに置かれる。


「ありがとう」


ミアが金を受け取り、外に出ようとすると

店主が彼女に声を掛ける。


「お嬢さん、余計なお世話かもしれんが

次にリオを見かけたときは近寄らん方がいいよ

奴とマトモに関わったら命がいくつあっても

足りんからね」


「……ご忠告どうも…」


ガチャ

カランカラン


ミアは店を出た後

街中を歩きながら考えていた。


(リオ・ウルフ……そんなにヤバい奴なのかな?

話してみてそんな変な感じはしなかったけどな…

外道、サイコパス、悪魔とか言ってたなあの店主は…一体どういう意味なんだろう…)


「よし!目的の前にちょっと街の人達に

リオ・ウルフの事聞いてみよう!」


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