第3話「リオ・ウルフ」

「いや~メンゴメンゴ

まさか人がいるなんて思わなくてさ~」


長身の男はミアに謝罪する。


「いや、私の方こそゴメン、急に殴っちゃったりして」


ミアは顔に付いた血をハンカチで拭きながら

男に謝罪する。


「いやいや君が謝るこたぁねえっての

あ、そうだ、自己紹介がまだだったな」


「俺の名前はリオ・ウルフ

スレイヤーやりながら旅してんだ

よろしこ」


「私はミア・ハーパー

私もスレイヤーやりながら旅してるんだ」 


「ほえ~ミアもスレイヤーか~

ところでこんな所で何してたん?」


「「ンニャピ」目指して歩いてたの

そしたらステハゲビーストが急に現れたから

ブチ殺して毛皮や牙を頂こうと思ったんだ」


「はえ~、そうだったの

じゃあコイツのもん全部ミアが持ってきなよ」


「え?い、いや、でも…狩ったのはあなただし…

受け取れないよ」


「いいっていいって

だって俺、ソイツの身に付けてるもんに興味ないし」


「え?じゃあどうして狩ったの?」


「私怨だよ、コイツに昼飯の鹿肉喰われたんだ」


そう言いながらリオは

真っ二つになった魔物から

毛皮、爪、牙を剥ぎ取り

懐から取り出した伸縮性のある袋のような物に

それらを詰めてミアに渡す。


「ほい、どうぞ~ん」


「…本当にいいの?」


ミアはリオに聞く。


「くどいぜ!いいって言ってるだろがい!」


「…あ、ありがとう

じゃあ…ありがたく頂きます」


そう言いながらミアは袋を受け取る。


「そんじゃ、俺そろそろ行くからさ

あ、そうだ、もしかしたらまた会うかもな

俺も後で「ンニャピ」に用があって行くから」


「ほいじゃ、まったの~ぅ」


そう言いながらリオは去っていった。


「……ちょっとテンション高めだけど…

良い感じの人だったな~」


ミアはそう呟いた。

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