第24話
「し、
恐る恐る僕は床に横たわる
「あ、
意味をなさない言葉を垂れ流しながら
「どうした、優勝したのだぞ? それも
胡乱げに焦点のあっていな目つきの
瞳が恐怖に揺れている。アルコール依存症患者のように震えが止まらない手足を縮こまらせながら、
「ヒッ! いやだいやだいやだ、見捨てないで見捨てないで見捨てないで………。」
「
誰に見捨てられることを恐れているのだろうか、まさか
「チッ、えろうムカつくな。こないぶつぶつ独りごちとったらうるさくてかなわんわ。」
未だなにごとか呟いている
カツカツと無神経に部屋を横断して立ち止まった
「おい、なに意味わからんことぬかしとんのや! 黙らんか!」
突然、
「いきなりなにをするんだ!」
慌てて
「なに、埒があかん思てな。ビービー泣き言いっとるんがなんかムカついたからやってもた。」
そんな時、ふと自分のシャツが誰かに引っ張られていることに気がつく。視線を下げると、僕の後ろに隠れている
「
ペタペタとその小さな手で僕の顔を触ってくることに僕が困惑していると、
「これは、もしかして幻ではなく、本物?」
どうやらようやく目の前にいる僕が実体を持っているらしいと気がついた
次の瞬間、反応する間もなく、
突然のことに、僕はぽかんとして言葉が出ない。万力のような力をこめて僕に抱き着いている
「落ち着いた?」
「うむ。」
離れたところで耳を抑えていた
落ち着いて変な独り言を口走らなくなったとはいえ、それでも
まず、僕に両腕でしがみついて離れようとしない。
僕がすこしでも
「それで、
「してないって。何度も言ってるでしょ、
そしてもうひとつ。僕に邪険に扱われることを
ことあるごとに僕の機嫌を心配げにうかがってくる
「そもそも僕がどうしてそんなことを考えると思うの?」
しゃくりあげながら、
「吾輩がこの高校に来る前もドーピングしていたと
「そうならそもそも今ドーピングをしていると知った時点で
「わ、
「どういうこと?」
「吾輩は初めから体育祭に出るつもりなどなかったのだ、吾輩は
「いい、いいから頭をぐりぐりしてくるのを止めて!」
「ほんとうか!
「
「え…………? やはり
その腕を無理矢理どかそうとすると、
「それでも、
「…………吾輩と一緒にすればよいではないか。」
「はいぃ?」
とんでもないことを言い出した
「もう茶番はええわ。さっさと離れ、
しびれを切らした
「
「…………。」
僕が説得しようとするも、
「なあ、
「…………うん。」
「は?」
「…………それでいい。
一瞬僕は
まるで真昼に幽霊でも見たかのような様子の
「とりあえず一件落着、ってことになるんかこれ?」
疑問符が山ほどついた
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