第17話
「ま、変なことやないんやない?
「それよりも今は
脳裏に
だが、今はそのことを考えていても仕方がない。とにかく
「そうだね、今度は
「なんや、簡単そうにいうなあ。連絡取れるんか?」
「うん、知り合いづてにつながりがあるから。」
今後のことについて話しあいながら、
「これはしてやられた、ちゅうことやな。」
敷物と床との間に、砕けたチョークの粉末が一面に飛び散っている。
「これで
恐らく
粟立つ二の腕をさすりながら僕が舌を巻いていると、廊下から静かな、しかし確かに靴音が聞こえてくる。途端全身を襲う恐怖とともに僕は理解した。
主が、
有無を言わさず
パチリと図書室が明るくなる。
照明の電源を入れた
「入っていいわよ。」
「やはり、侵入、あった。取り逃した、廊下、人、いない。」
「
どうやら
もしも
「でも、変。侵入者、目的、わからない。金庫、誰も、破れない。」
その
「べつに"銀行屋"の業務そのものばかりが狙われているわけではないわ。
「なに、盗まれる、今、予想?」
「さあ、見当もつかないわ。この図書室にはいろいろと価値のある物がありすぎるもの。……そういえば画集なんかもあったわね。」
図書室に戻ってきて初めて
「画集?」
「ええ、そういえば
画集が収められている大判本の場所は僕たちの隠れる本棚のすぐ手前にある。
やがて画集をようやく見つけたらしく、
「あら、
僕は過去の自分が犯した過ちに悶絶した。画集を元通りにしようとしたあの時、僕が最後まで
「
結局、僕たちは
徹夜明けの眼をこすりながら
「それで、
これがもしも脅迫状だけならば
これまでかなり冷えこんでいた
とにかく、僕はもう図書室に戻るほどの覚悟はなかった。
「どこか別の空き教室を探して、しばらくはそっちで寝泊まりすることにするよ。今はたぶん
そう口にしたところで、
だが、
「もう、
「え………。」
予想外の
「いやいや、
「それじゃ早速やけどこれからよろしくな、
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