第135話 少し時間が経って
パルムが産まれてから現実で2週間近くが経過した。
その間、仕事に追われながらもちょくちょくログインして従魔たちと遊んだり、イッテツさんとミミちゃんから新たな装備を受け取ったり、お風呂と畑が完成したりといろいろなことがあった。
怨嗟の大将兎のドロップアイテムを使った防具の作製もミミちゃんは喜んで受けてくれたため、どんな妻用の防具が出来上がるのか今から楽しみだ。と言っても流石に素材のレア度が高過ぎるため、すぐに加工するのは難しいと言われたので完成品を拝むのは少し先になるだろうけど。何か進捗があれば彼女の方から知らせてくれるみたいなので、しばらくはメッセージが届くたびにドキドキすることになりそうだ。
まぁ、それはそれとして。
昨日、一昨日とログインしていなかったし、武器も新調したことなのでステータスをじっくりと確認しておこうかな。
ハイト・アイザック(ヒューム)
メイン:テイマー Lv.1
サブ1:見習い錬金術師 Lv.9
サブ2:見習い戦士 Lv.10
HP:380/380 MP:360/360
力:33(+28)
耐:35(+45)
魔:44
速:19(+4)
運:35
スキル:テイム、火魔法、魔力操作、錬金術、剣術(初級)、槍術(初級)、盾、気配察知、聴覚強化、鑑定、解体、採取、潜水、伐採、採掘、口笛、挑発、癒しの手、緋色の紋章
称号:<ラビットキラー><紅蓮の魔女の弟子>
SP:10
<装備>
頭:なし
胴:劣猿王の皮鎧(上)
脚:劣猿王の皮鎧(下)
靴:黒猪皮の靴
装飾品:―
武器:鉄の剣
盾:鉄の盾
鉄の剣
レア度:2 品質:中 耐久値:140/140
要求値:力(25) 上昇値:力+18
特殊効果:なし
鉄製の剣。装備するにはそれなりの力が必要。
黒猪皮の靴
レア度:1 品質:中 耐久値:80/80
上昇値:耐+3 速+4
特殊効果:悪路走行補助(極小)
ブラックボアの皮を用いた靴。靴底のクッション性が高いため、通常の靴よりもわずかに悪路を進みやすくなっている。
やっぱり良い武器を装備したことで一気に力が跳ね上がったね。靴の方もミミちゃんのお店で売っていたものを買ったので以前よりステータスアップに貢献している。特殊効果の方は極小って書いてあるからおまけ程度にしか感じられないけど。
鉄の槍
レア度:2 品質:中 耐久値:130/130
要求値:力(30) 上昇値:力+22
特殊効果:なし
鉄製の槍。装備するにはそれなりの力が必要。
ちなみに装備はしていないけど、アイテムボックスにはこいつが入っている。槍術(初級)のスキルを持っているのに腐らせておくのはもったいないから、これからこいつを使っての戦闘も増えていくと思う。
スキルのアシストがあるから最低限の動きはできるだろうけど、剣との間合いの違いなどに気をつけた方がいいかな?
それからレベルの方は全く変動していないが、そこは仕方ない。冒険に出られるほどの時間はなかったからね。
あとパルムのステータスも見ておくか。この2週間で人間ではありえないほど成長したからね。
パルム(スカルドラゴニュート)
Lv.1
HP:100/100 MP:80/80
力:35
耐:31
魔:34
速:26
運:29
スキル:武器生成、龍骨、再生、怨嗟の叫び、影魔法←new
称号:<闇の住人><龍の血族>
もうよちよち歩きはしないし、ぬいぐるみっぽい可愛さもない。どちらかというと身長が俺の胸くらいまでの龍骨戦士って感じの風貌だ。
幼体の期間、日が出ている間は室内で過ごしていたため、一定時間日の光に当たらないという取得条件はクリア。幼体じゃなくなったことでマイナス補正も消えたので魔力の要求値もしっかりと超えている。おかげですぐに影魔法の取得ができた。
魔法を覚えた当初は影の操作が下手くそだったが、先輩不死系統従魔のマモルが付きっ切りで面倒を見た結果ある程度は使えるようになっている。
「お~い! マモルにパルム。今からちょっと狩りに行かない?」
ステータスの確認が終わったのでクランハウスを出ると、湖の畔で従魔2体が影魔法の特訓をしているところが目に入った。
今日はログアウトするまでにある程度の時間が確保できているので、久しぶりに魔物と戦おうかと思い、彼等を誘う。
俺の声が聞こえると2体はすぐさまこちらへ駆けてきた。マモルはもちろん行くと。パルムからはがんばるという気持ちが伝わってくる。
「よし、それじゃあ早速行こっか。とりあえず肩慣らしにブラックボアくらいと戦いたいね」
初戦からフェザースライムはちょっとしんどいので、頼むから出ないで欲しい。そう思いながら、従魔を連れて経営地を出る。
――――山に入って5分もまだ経っていない。それなのにもう魔物を発見した。
「うわぁ……フェザースライム。それに4体って、これまでで1番多いよ」
変に意識したからか。出会いたくなかった魔物と遭遇。
この数、一斉に風魔法撃たれたらやばいね。全員が狙いを合わせてきたら、こっちの誰か1人が確定で落ちることになりそうだ。マモルが狙われたのなら、その速さを活かして生き延びそうだけど。俺とパルムに全部避けろっていうのは少し無理がある。
うん、ここは一旦退却だ。俺たちが相手を見つけられたのは気配察知を使っているから。敵側はそんなスキル覚えていないので、全く気づいている素振りはない。
今ならゆっくりとこの場を離れれば、無茶な戦闘をせずに済むだろう。
「マモル、パルム。ここは撤退しよ――――」
パキッ。
俺の小声が木の枝が折れたような音で遮られた。それに反応するようにフェザースライムたちがこちらへと近づいてくる。
今の音の原因は…………パルムだ。足元に落ちている枝を踏み折ってしまったらしい。ごめんなさいと骨の顔をこちらへ向けながら、謝罪しているのが伝わってくる。
初の狩りなのだから気にするなと励ましてやりたいところだが、今はそれどころではない。今から逃げるのでは間に合わないだろうから応戦一択。唯一、気配察知を習得していないパルムへそのことを伝える。
「パルム、敵がこっちにくるよ。反省は後でいいから、戦闘の準備をしようか」
そう言いつつ、俺は背中から鉄の剣を引き抜く。隣にはすでに臨戦態勢のマモルが。その後ろにいるパルムは慌てて戦闘準備へと入った。
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