第125話 羽ペンの素材

 新種の魔物であるフェザースライム1体と取り巻きのスライム3体と遭遇。すぐにスライムは片づけることができた。

 だが、フェザースライムだけはまだ倒せていない。バク丸が溶解液で攻撃したのだが、風魔法で防がれたのだ。正直、それだけならまだよかった。最悪なのは風魔法によって散らされた溶解液の一部が俺の方へ飛んできたこと。不意を突かれたため躱すこともできずに鉄の盾で受けた。俺にダメージはなかったが、ミミちゃんから買った大事な装備の耐久値を削られてしまった。

 そして怒りを覚えた俺がみんなに全力で攻撃するよう指示したのが先程のこと。


<見習い戦士のレベルが1あがりました。SPを2獲得>


<規定条件を満たしたため新たなスキルがスキルリストへ追加されました>


<骨狼のレベルが1あがりました>


<一足烏のレベルが1あがりました>


<スライムのレベルが1あがりました>


 風魔法のクールタイム中。ふよふよと宙を漂うフェザースライムはズタボロにされて死んでいった。

 俺の指示があったとはいえ、マモルのMPを大量消費した影の槍4本。バガードの硬化状態での上空からの突撃。そしてバク丸の膨張した状態での体当たり。これらを碌に抵抗できない相手に放ったのは少しやり過ぎた感が否めない。

 だが、俺自身もMPの温存を忘れて全力でスラッシュをぶっ放したため従魔たちを叱ることはできない。

 オーバーキルではあったが、レベルアップのアナウンスがあったことだし良しとしよう。




ハイト・アイザック(ヒューム)

メイン:見習いテイマー  Lv.14

サブ1:見習い錬金術師  Lv.8

サブ2:見習い戦士    Lv.10

HP:360/360 MP:19/320

力:32(+16)

耐:35(+42)

魔:39

速:19

運:32

スキル:テイム、火魔法、魔力操作、錬金術、剣術(初級)、槍術(初級)、盾、気配察知、聴覚強化、鑑定、解体、採取、潜水、伐採、採掘、緋色の紋章、挑発←new

称号:<ラビットキラー><紅蓮の魔女の弟子>

SP:12




 ひとまず自分のステータスを確認した。

 防具の値も含めると耐久力は77。もうすぐ80だし、大台の100も近いうちに達成できそうだ。今から楽しみ。

 それと新たに取得できるスキルが増えたようなので、リストを開いて確認。どうやら挑発という敵のヘイトを集めるスキルが取得できるようになったみたいだ。今後も俺は前衛の予定なので即取得。消費SPは4だった。


 次は従魔たちのステータスを確認しないとね。




マモル(骨狼)

Lv.13

HP:370/370 MP:86/210

力:60

耐:17

魔:31

速:67

運:13

スキル:骨の牙、威嚇、気配察知、嗅覚強化、暗視、採取、潜水、影魔法

称号:<闇の住人>


バガード(一足烏)

Lv.6

HP:205/205 MP:78/105

力:12

耐:33

魔:17

速:9

運:13

スキル:飛行、挑発、硬化、土魔法

称号:―


バク丸 (スライム)

Lv.6

HP:48/60 MP:29/38

力:13

耐:17

魔:6

速:10

運:9

スキル:溶解液、液状化、物理耐性、膨張←new

称号:―




 マモルは張り切ってMPを使い過ぎだね。

 バガードの方はあまり減少していないということは、硬化にはあまりMPを必要としないのだろう。

 そしてバク丸、スライムらしく基礎ステータスは低い。それでも戦闘ではしっかり役に立ってくれているので文句はないが。スライムは進化先がいろいろありそうなので、そういう意味では1番期待している。


 ステータスの確認が終わった。

 次は解体タイムだ。フェザースライムは初めて倒した魔物なので素材にも期待している。だが、まずは普通のスライムから。お楽しみは最後に取っておかないとね。




スライムゼリー

レア度:1 品質:低

スライムを倒すと手に入ることがあるゼリー。淡い水色で清涼感のある見た目をしている。味はほんのり甘い。


スライムの魔核

レア度:1 品質:中

平原などでよく見かける魔物、スライムの魔核。

他の魔物の魔核と比べると、サイズがかなり小さい。




 スライムゼリーは妻に渡せば、デザートでも作ってくれるかな?

 魔核も取れたけど……普通のスライムのものじゃなぁ。

 どうせなら、フェザースライムの魔核をください。




小さな翼(白)

レア度:1 品質:低

小型の魔物から剥がれた翼。

魔物によって翼の色は様々。

白は羽ペンの素材となるため、他の色のものより需要が安定している。




 初見の素材だ。

 どう考えてもフェザースライムの背に生えていたやつだね。羽ペンにするにしてはサイズが小さい気がするけど。まぁ、需要があるならそれなりの値段で売れるだろう。碌にお金にならないレッサーコングのドロップアイテムよりはだいぶマシか。


「解体も終わったしもうちょっと探索しようか」


 カー。


 バガードは短く了解と鳴き、マモルは喜びから尻尾で地面を叩く。いつの間にか俺の頭の上に戻っていたバク丸は、めんどくさそうに震えた。

 みんないつも通りの反応だ。これなら探索を続けても大丈夫かな?


 よしっ、ここから可能な限りバク丸のレベル上げをするぞ。フェザースライムという新たなスライムを発見したことで、進化先が気になって仕方ないからね。


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