第50話 他の装備品
ハイト・アイザック(ヒューム)
メイン:見習いテイマー Lv.12
サブ1:見習い錬金術師 Lv.6
サブ2:見習い戦士 Lv.6
HP:260/260 MP:110/260
力:25(+11)
耐:25(+24)
魔:33
速:18
運:28
スキル:テイム、火魔法、錬金術、剣術(初級)、槍術(初級)、盾、気配察知、聴覚強化、鑑定、解体、採取、潜水
称号:<ラビットキラー>
SP:20
<装備>
頭:なし
胴:皮の鎧(上)
脚:皮の鎧(下)
靴:皮の靴
装飾品:―
武器:頑丈な石の剣
盾:鉄の盾
俺はSPを2だけ力に振り、鉄の盾の要求値を満たした。そして早速、装備してみたが金属の重みがずっしりとくる。取り扱いに困るほどの違和感はないが、これは慣れが必要かもしれない。
「おお、様になってますよっ、ハイトさん!」
「うん。戦士っぽく、なった」
イッテツさんとミミちゃんが褒めてくれる。
「ははっ、ありがとうございます。でも、こうして盾を鉄製のものにすると剣も新しいのが欲しくなりますね。それに槍も初級スキルを手に入れたので、買いたくなってきた」
せっかく盾が鉄になったんだし剣も槍もそうしたいなー、なんて思い始めてきた。ステータス上昇値もさることながら、見た目の変化に気分が上がる。これは戦闘へのモチベーションも上がるというものだ。
「是非、俺に任せてください! って、言いたいところなんですけど……まだ自分には鉄鉱石を手に入れるルートを確保できていないので。すみません」
「いやいや。俺が急にわがまま言っただけなのに、謝らないでくださいよ」
「イッテツお兄ちゃん、分けよう、か?」
俺たちのやり取りを見て、ミミちゃんが気を遣ってくれる。
「流石にそれはダメだよ。それに見合ったお返しを俺は用意できないから」
「別に、あげても、いいよ」
「そう言ってくれるのは嬉しいよ。でも、大丈夫。いくらいとこでも、そこまで甘えられない」
ミミちゃんはよっぽどイッテツさんのことが好きなんだなぁ。
「そっか……」
「そんなに落ち込まないでよ、ミミちゃん。イッテツさんが使う鉄鉱石は俺が取ってくることにするからさ」
シュンっとしたミミちゃんの姿を可哀想だと思い、ついそんな言葉を口走ってしまった。
「ほんと?」
「えっと、うん! がんばるよ!!」
俺たちは理想の経営地を作り上げることが当面の目標だった。なので新たなフィールドの攻略はするつもりもなかったのだが……一度吐いた言葉は呑み込めない。
「ありがとう! ハイトー」
笑顔でぬいぐるみを高い高いするミミちゃん。今日、最も大きなリアクションだ。
「ハイトさん、本当にいいんですか? 無理はしなくても――――」
俺がこれから経営地開発に着手することを知っているイッテツさんは心配してくれる。
「いや、口にした以上はやります。その代わり、俺の新武器頼みますよ」
「……わかりました。それではお願いします」
「任せてください」
気は進まないが、今度時間があるときにシャムさんへ連絡しよう。彼女なら、攻略組から鉄鉱石の採掘場に関する情報を手に入れているはずだ。当然、お金は取られるだろうがそこは仕方ない。
「あ、それからミミちゃんにお願いがあるんだ」
「どう、したの?」
こてん、とミミちゃんと熊のぬいぐるみが首を傾げる。
「実はこの素材を使って鎧を作れないかなって」
俺はアイテムボックスからレッサーコングキングの背皮を取り出す。
「んっ! これ初めて、見た」
突然、ミミちゃんの目が輝いたかと思えば、俺の手からレッサーコングキングの背皮が消える。熊のぬいぐるみがこれまで見たことない速さで動いて持っていったようだ。
「す、すみません! ハイトさん。ミミちゃん、初めて見る素材には食いつきがすごくて……」
「ははは……いいですよ。ちょっとびっくりはしましたけど」
まぁ、子供っぽくて良いじゃないかな。
「――――今までの、皮の鎧よりいいもの、作れると、思う」
しばらく黙って素材を観察していたミミちゃんがそう言った。
アイテムの説明からしてそうだろうなとは予想していたものの、実際に作り手からそう言われると嬉しいね。これで俺は装飾品以外の装備の新調予定が立った。
俺のものばかりというのも悪いので、妻の装備作成素材を今度探してみよう。イッテツさんのために鉄鉱石を取りに行く道中で見つかるといいなぁ。
「だったら、作成をお願してもいいかな?」
「うん、任せて。でも、新素材は時間が、かかる。1週間は、時間をちょうだい」
「わかった。それじゃあ、よろしくね」
今日の目的を果たしたので、帰ろうとした俺をミミちゃんが止める。
「ハイトちょっと、待って。外で、待ってる子、たち見たい」
「えっ、マモルたちのこと?」
「マモルって、いうの? うん、触ってみたい」
ミミちゃんが人見知りだということを聞いたマモルとバガードは、彼女が緊張しないようにと自主的に少し離れたところで俺のことを待っていた。待ち合わせ場所から店に移動してからも、店内には入ってきていない。
配慮のできる良い子たちだと俺は1人感心していたのだが、彼女からすればいらぬ気遣いだったようだ。
「それじゃあ、外に出ようか。きっとマモルたちは喜んで遊んでくれるよ」
この後、店の外に出たミミちゃんはすぐにマモルたちと仲良くなった。
その日、不気味な狼にまたがり町中を駆ける怪しい少女が出た。という話題が掲示板に上がったことを、俺は後から知った。
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