第38話 手土産

ハイト・アイザック(ヒューム)

メイン:見習いテイマー  Lv.12

サブ1:見習い錬金術師  Lv.5

サブ2:見習い戦士    Lv.6

HP:170/260 MP:190/240

力:23(+11)

耐:25(+9)

魔:31

速:18

運:27

スキル:テイム、火魔法、錬金術、剣術(初級)、槍術(初級)、盾、気配察知、聴覚強化、鑑定、解体、採取、潜水

称号:<ラビットキラー>

SP:20


マモル(骨狼)

Lv.11

HP:120/330 MP:180/180

力:56

耐:17

魔:28

速:62

運:13

スキル:骨の牙、威嚇、気配察知、嗅覚強化、暗視、採取、潜水

称号:<闇の住人>


バガード(一足烏)

Lv.4

HP:95/165 MP:55/85

力:11

耐:29

魔:14

速:9

運:13

スキル:飛行、挑発、硬化、土魔法←new

称号:―




 人食いウナギを見事討伐した俺たちは個々のステータスを確認していた。バガードのみ元のレベルが低かったからか、一気に3つもレベルが上昇している。Lv.4にしてすでに素の耐久力で俺を抜いてしまった。流石は飛行タンク。オールラウンダーを目指す俺としては特化型の従魔が居てくれる方が嬉しい。マモルも速さと力特化なので本当に有難い存在である。


 俺自身はスキルもだいぶ揃ってきてSPを十分余らせることができている。あと2、3回レベルアップしても取りたいスキルが新たに現れなかったら、そのときはSPを10消費して身体強化を取得しようと思う。

 メイン職が見習い戦士のプレイヤーが取得して効果を掲示板に載せていたのだが、このスキルは発動してから10秒の間だけステータスを1.5倍にするものらしい。短時間とはいえ、ステータスをそれだけ上昇させられるなら前衛は絶対に取得するべきだろう。

 以前、スキルリストで見たときは名前からして有用スキルだろうなとは思いつつも、効果のはっきりとしないスキルにSP10を投資するのは怖かったので取得を後回しにしていた。


「ハイト~、ステータス確認できた?」

「うん、全員分見たよ」

「私にも見せて?」


 俺も妻のステータスが気になるし、互いに見せ合うか。

 でも、その前にやるべきことがある。


「ちょっと待ってね。人食いウナギの解体し忘れてたから」

「はーい」




ウナギの粘液

レア度:2 品質:中

ウナギの魔物を倒した際に手に入る、ぬたぬたした粘液。NPCの主婦の間では美容に良いという噂で、そこそこ需要がある。


人食いウナギ

レア度:3 品質:低

人や魔物をこれまでにたくさん食らってきたウナギ。通常のウナギより可食部が多い代わりに、やや大雑把な味となっている。




 普通のウナギも出てくるのか。いつかそいつも捕まえて食べたいものだ。説明によると味は人食いウナギよりうまいらしいしね。

 粘液はいらないし、さっさとファーレンでNPCに売ってしまおう。


「何か良さそうなドロップアイテムあった?」

「微妙かなぁ。一応、魚系の魔物は本体が丸ごとアイテムとして手に入るから人食いウナギもゲットしたんだけど……可食部が多い分、普通のウナギより大雑把な味って説明されてるから、美味しいかはわかんないんだよね」

「そっかー。でも、何はともあれ食材が手に入ったのは嬉しいね!」


 妻はまた料理ができるのが嬉しいようで、満面の笑みを浮かべている。


「あっ! 食材といえば、ニジマスに爆速ヤマメ、それにラニットアユも手に入ってるよ!!」


 アイテムボックスから食材として使える魚を全て差し出す。

 ドロップしたときは妻に良い手土産ができたと喜んだのに、危うく渡しそびれるところだった。


「うわぁ~……すごーい!!! これだけあればお魚パーティーができそうだね! ここを無事に経営地にできたときには、お祝いしよっ?」

「いいね。でも、俺たちだけでやるのもあれだし、知り合いも呼ばない? 俺が呼べるのなんてイッテツさんくらいしかいないけど」


 俺、ゲーム内フレンド少ないから……。


「それなら、私はガストンさんとマーニャさんを呼びたいかな? 1人でログインしたときなんかは、冒険者ギルドで依頼を受けることも多くてね。そのときに2人にはお世話になってるから!」

「もちろん、その2人もいいよ。じゃあ、そのためにさっさとこの場所を経営地として手に入れないとね」


スライム1/1

レッドボア1/1

ブラックボア1/1

スニークマンバ1/1

スリーピングアゲハ1/1

ニジマス1/1

ラニットアユ1/1

爆速ヤマメ1/1

人食いウナギ1/1

一足烏1/1


 うん、討伐リストは全部埋まっている。俺とマモルが水中で人食いウナギの相手をしている間に、他のメンバーはちゃんとスニークマンバとスリーピングアゲハを倒してくれていたようだ。


<経営地化条件>

・区域に出現する魔物を各種討伐。←達成

・区域に2時間クラン外のプレイヤーを入らせない。←残り30分

・最寄りの町で冒険者ギルドへ報告。←未達成

・冒険者ギルドを通して国へ1000000Gの献金←未達成


「あと30分で区域を占領する条件もクリアできるみたいだ。それが終わったら、俺かリーナがファーレンに戻ってギルドに報告しよう」

「了解! じゃあ、時間がくるまで周りを警戒しつつ、ご飯でも食べる?」

「そうしようか。ほらっ、バガードあげるよ」


 一旦、湖の景色を見ながら休憩することになった。アイテムボックスからフライドラビットを取り出すと、自分で食べるより先にバガードへ手渡す。


 カァー!


 うちの食いしん坊は喜んでくれたようだ。

 それじゃあ、俺も食べますか。いただきます。


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