転生者って人生勝ち組じゃないわけ??

まるげりーた

序章 少女(1)

ただ走ることしか出来なかった。目の前の敵があまりにも大きすぎたために


もう逃げることしか出来ない。最強だと思い込んでいた過去の自分を呪う。


真っ赤な瞳をした金髪の、歳は15、6歳くらいだろうか。つけていた仮面は既に剥がされ、先の戦闘でボロボロになった服と靴。それでもなお少女の走る速さは常人のスピードを遥かに超えていた。



足がもつれる、何度も転けそうになるが何とか踏ん張る、まだ生きれるかもしれないという希望を持って




だが、少女は分かっていた希望なんてないことを、そういう運命だということを。


いや、能力を使わなくとも少女には死が予想できる、それも確実な。


ただ悔しいのだ。あんな奴に殺られるなんて。


この私が逃げることすらできないなんて。



もう魔法は使い切った。空を飛ぶ「ウィング」の魔法さえ発動することも叶わない。こんな自体になるのならば少しは魔力を残しておくべきだったと後悔する。しかしそれももう遅い。




「っ...!」



息を飲む。





少女の目の前に映るのは死そのものだった。





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