第2話

強迫性障害。不潔に思う人の私物に触れただけで手を執拗に洗う。机に当たっただけでその箇所を執拗に拭く。不潔に見える。目に見えないバイ菌に怯えて不安を募らせてストレスを溜める。熱い風呂に浸かる。どこかにぶつかれば偶数になるまで何回も繰り返す、が、永遠に納得出来ない。終わらせようとしても偶数になったか確認する為にまた繰り返す。他人には理解出来ない事だろうが本人は至って真面目だ。完璧になろうと何度も確認して追求する。しかし、それが度を超えていると周りの人間には見えてしまう。それも成長や状況によって変化する。神経質、几帳面、きっちりしている。そう言われるとそうでなくてもそうなろうとしてしまう。入浴中に書きたい事が思いついても出る頃には忘れている。それは自分が無意識にみんなが求めている事をみんなが好きそうな言葉や物語を書こうとしている。強迫だ。目には見えないし周りにも理解されない。自分で勝手に作り出した世界。自分の頭の中だけで進んでいる物語。この人の話をすると言われただけで勝手に物語が始まると思うのもまた期待をしているという事。どれだけ悩んで苦しんでもそれは自分の中で始まり終わる。

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