この度、初めてエッセイなるものを呼んだ次第でありますが――エッセイ、とてもいいですね。何がいいって、キャラづくりの参考になる。物書きとして、そう強く感じました。もちろん、唯野木さんの人柄の良さがあってのことだとは思いますが、自分とは異なる考え、思考、想いが飾り気なく綴られていて、もう「唯野木めい」というキャラクターの設定資料集みたいだなと思いました。いつか、自分の小説に登場させたいぐらいには魅力的なキャラクターです。
つまり、普段の自分の考え、物の見方、想いなどから一旦離れて、全く違った視点から物事を見た景色を手軽に楽しめるのが、このエッセイの魅力です。
それから、以前、私の拙作に感想を書いていただいたときにも感じたことですが、文章が読みやすい。それでいて、くすりと一笑できるポイントが散りばめられているため、飽きることなくすらすらと読むことができます。私は、専門的なことはわからないので、理屈的にこの文章の読みやすさを説明することができないのですが、兎に角、読みやすい。
また、書き方が親切。わかる人だけついてこいというようなスタイルではなく、筆者の伝えたい本題を読者が理解するのに必要な前情報を、丁寧に示してくれます。おかげで、乙女ゲームをプレイしたことのない私でしたが、プレイする上で感じる苦悩、しんどさを理解し、筆者に寄り添うことができました。この辺も、人柄の良さの表れ、また、読みやすいと感じる理由かもしれません。
最後に、長髪論最高でした。共感しかない……。
「なんなら貴方の髪の毛を煎じて飲みたい」
長髪というケアの大変なものを美しく保つよう努力している人を模範としたい。という風にも読めるし、長髪への究極的な愛の形。という風にも読めるいい言葉ですね……。
長髪万歳!