Part7

剣士狩りを止める為、ユウマが率いるチームは、第十七階層の洞窟へ。サラたちは第五階層の洞窟へと向かった。


〈サラたちは〉


「サラさん」


「?どうしたユキ」


「ボクたちの相手は、リパを除いた剣士狩り、なんですよね」


「あぁ、ユウマからの情報通りなら、私たちの相手は、リパ以外の剣士狩りだ」


「一体何人いるんでしょうか」


「どうだろうな、だが、最も危険なのは、リパだけだ。残りの剣士狩りなら、我々で倒せる。それに、リパが最もいるとされる方にはユウマがいる。アイツなら、潰し損ねる失敗はないだろう」


「そうですね。でも、どうしてリパは、殺されたはずなのに、生きてたんでしょうか」


「分からない。だが、今度は大丈夫だろう。同じ失敗はしない」


サラとユキが話していると、第五階層の洞窟に辿り着いた。


「(ユウマ、こっちは着いたぞ)」


テレパシーで会話するサラとユウマ。


「(了解、こっちも着いた)」


各々目の前の洞窟へと入るユウマやサラたち、中に入ると、辺りは暗く、よく見えなかった。


「いない?」


「(相手は剣士狩りだ、気をつけろサラ)」


「(あぁ)」


「……ここにいるはずだが…!」


ユウマが辺りを探していると、突然人の気配を感じた。


「っ!」


光魔法で、辺りを照らしたユウマ。そうすると、周りには数十人の剣士狩りの姿があった。


「やはりここだったか。ん?」


「(どうしたユウマ)」


一人の剣士狩りが、ユウマたちや自分たちをその場にとどまらせる為、魔法で閉じ込めた。


「(魔法で閉じ込められた。それと、ヤツの姿がない)」


「(なに)」


「(もしかしたらそっちかもしれない、気をつけろサラ)」


「(あぁ、わかっ…)」


「(!サラ、どうした)」


突然テレパシーが切れ、ユウマはサラと連絡がとれなくなった。


〈サラたちは〉


「…本命はこっちか」


サラたちの方にも、もちろん剣士狩りはいた、だがヤツの姿は、ユウマの方ではなく。サラたちの方にいた。


奥の方から、数十人の剣士狩り、そしてヤツが姿を現した。


「…まさかこっちとはな」


「前に言ったはずだ、サラ。我々剣士狩りは、狙った獲物は逃がさないと」


「なるほど、ユキを狙ったわけか」


「その女を殺したあとは、サラ、お前を殺してやる」


「そう簡単にはいかせない」


「サラ」


「あぁ、タック、周りの剣士狩りを頼む」


「わかった」


「サラさん」


「ユキ、ユキたちも剣士狩りを頼む。私はリパを片付ける」


「…分かりました」


「じゃあ、行くぞ!」


サラは皆に指示を出し、リパに一人で立ち向かった。


「来るか、サラ」


「ハァーア!」


「っ」


サラの剣攻撃に対して、リパも剣と短剣を出現させ、サラの攻撃を止めた。


「今度は私がお前を殺す」


「お前にできるかな?」


「あー、できるとも」


「なら、やってみろ」


「あぁ!」


サラ対リパの剣戟が始まった。


「ふうっ!…(サラさん)」


ユキたちは、リパ以外の剣士狩りを相手に戦っていた。


剣士狩りと戦いながらも、サラが心配なユキ。


サラは、リパの短剣をかわしながら、リパの弱点をつくるべく、剣での攻撃を続けた。


「ハァー!」


サラの剣力は強く、元ランキング第二位のリパ相手に、互角以上にわたりあった。


「やるなサラ。流石ランキング第二位だ」


「お前もそうだったろ。だが、なぜ剣士狩りなんてしている」


「理由なんて簡単さ。剣士を狩るのが、楽しいからさ!」


「…とことん、クズ野郎だな!」


サラは、リパに攻撃を与え続け、リパのHPも、残り少なくなってきた。


「…(あと少し)」


ユキたちの方も、順調に剣士狩りの体力を奪っていき、剣士側が優勢だった。


「(このままでは殺られる。なら、あの手でいくか)」


リパは、圧倒的にやられていたが、奥の手を使うと決め、ニヤリと笑った。


「なにを笑っている!」


サラは、リパの弱点をつくりだし、そこに剣を思い切り振りかざした。


「ふっ」


だが次の瞬間、リパの両手が突然剣の姿へと変わった。


「なっ!」


そしてリパは、サラの攻撃を止めてみせた。


「やはりサラ、お前は強い。だから、俺も全力で、お前を殺す」


「っ」


サラは警戒し、一旦距離をとった。


「(両手が剣に変わった、まるでモンスターだな。そして隙があるが、恐らく罠だな。なら、ヤツが攻撃を仕掛けてくるまで、剣に魔力を込める)」


サラは剣に魔力を込め始めた。そしてそれを見たリパも、剣と化した両手に魔力を込め始めた。


サラとリパ、お互いが魔力を込め、全力の一撃を出すため、相手の様子をうかがいながら、待った。


「…」


そしてお互い魔力を込めつくし、相手に向かっていった。


「ハァーー!」


サラとリパの剣がぶつかり、辺りの風が強風へと変わった。


「ぐっ、んー」


「…流石だよサラ。この姿の俺と渡り合うとはな。だが」


「?」


「奥の手は、これだけじゃない」


「なに……!ぐっ、くっ」


サラがリパと対峙している中、突然後ろから、魔法で姿と魔力を消していた剣士狩りが現れ、そいつが持っていた剣をサラに刺した。


「っ」


「相手が俺一人だと思った、お前の負けだ」


「!」


剣士狩りと戦っていたユキは、刺されてしまったサラの方を見て、思わず口に出した。


「サラさん!」


「お、まえ、んっ!ぶはっ!」


サラは急所を刺されただけでなく、ここにきて呪いの効果まで発動し、二つの事が原因で、血を吐いた。


「んっ、…」


そしてサラは、倒れてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る