第四十首 話すたび下方修正...

話すたび下方修正されていく私のバリューは今どのくらい?



 自己の短歌。


 カードゲームなどではアドバンテージの高いカード(ざっくりと有用なこと)を「バリューが高い」「バリューを発揮する」などと言ったりします。


 ところで長いこと生きていると自分の無能さ、精神の下等さ加減といったことはもうすっかりわかりきってしまっており、生身で人に接して好かれようはずもないので、次第に求められている人格を演じるようになっていきます。


 取り繕う技術ばかり上手くなっていき、技術に準じて交友関係も広がっていくが、会話の機会が増えるに従って本当の私が徐々に顔をのぞかせます。精神の片鱗を垣間見たあなたは、日ごとに私の評価を下方修正していることでしょう。ねぇ、私のバリューはいまどのくらいありますか?

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