第三十九首 腹満ちても...
腹満ちても新月
貧困の短歌。
「咳をしても一人」みたいなのが詠みたかった。
「満月」とはそれがどういった現象であるかに関係なく神秘化され、人々の羨望を集めます。藤原道長は「望月の欠けたることもなしと思へば」と詠むことで自身の完全性を主張し、『ニャースのうた』ではおつきさまの丸さという完全と不完全な自分を比較して切なさを歌う。満月とは完全の象徴であり、「満」という字が充てられていることからも、それは満ち足りた状態というイメージを与えます。
かたや生活困窮者の私の食事といったら具の無いラーメン、塩結び、出汁のないうどんなどお月様の丸さには程遠く、当然うどんで月見をすることも叶いません。「満腹」という言葉から得られる満足感のイメージとはあまりにもかけ離れた食事は、まるで新月の夜の暗闇のようです。
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