お仕事モノ小説について(有益度★★★★)
先日、カクヨムからデビューされた松井蒼馬先生(萌乃ポトス先生)の『1面、降版します 特命記者の事件簿』を読みました。
https://www.kadokawa.co.jp/product/322311000276/
https://kakuyomu.jp/works/16817139556299078853
新聞社の中の整理部という部署に配属になった主人公の女の子がライバル新聞社に特ダネをリークしている裏切者を探すというミステリー要素もあるお仕事モノなんですけど、めっちゃ面白かったです。
所謂お仕事モノとしてはオーソドックスな構成なんですけど、新聞社の整理部なるところが何をするところか知らないので新しい知識を得られるし(得られた気になれるだけで、説明しろと言われてもできない)、組織内の裏切者を探すっていうシチュエーションがどんどん先を読ませるんですよね。
キャラクターは割とデフォルメされた感じでしっかり立ててあるんですけど、モデルになった人は実在しそうな感じというかリアリティはありました。
登場人物の出身大学が実在の大学なんですけど、そこにも属性を付与してあるというか、上手く使ってましたね。あー、上智っぽいとか早稲田っぽいとか、藝大卒の人こういうこと言いそうとか、東大卒なのに……みたいな意外性の演出なんかにも一役買ってました。
私が書く作品は基本的に早稲田卒オンリーの早稲田プロパガンダ小説なんですけど、フェアに書けるなら自分もやってみたいなとは思いました。(でも、慶應卒を犯人とかにしてしまうかもしれない……)
あとですね、お仕事モノはやっぱり強いなって思いました。小説っていうのは自分と違う人生の追体験をできるというのが一つの肝なわけですけど、みんなが何をしているか知りたいレア職かつまだ誰も書いていないってそれだけでもう勝ったようなもんですよね。『1面、降版します 』は整理部っていうのがいいですよね。聞いたこともなかった、整理部って。だいたい新聞社が舞台だと記者が主人公だったりするわけですけど、意外とスポットが当たらないところに注目するっていうのはデビュー戦略としてアリですよねぇ。
専門性の高い情報の出し方も上手いのでそういう視点でもこの作品は勉強になると思います。
ちなみに松井先生は私の小説や当エッセイの読者でもあるそうでして、参考にしていただいてるというメッセージをいただきました。ありがたいことです。
プロの方も参考にしてくださっているということなので『1面、降版します 』はもちろん『よみかの』も買いましょう。
ではでは。
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